2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610534
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河原 俊雄 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90186122)
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Keywords | ビューヒナー |
Research Abstract |
科学研究費受給の最終年度に当たる今年度は、四年間の研究成果をまとめこれを公表することを目標にした。この四年の間に、『殺人者の言葉から始まった文学』という論文題名で文学博士の学位を取得した。その際、同名の著書(鳥影社)には組み込めなかった『ヴォイツェック』と『レンツ』の研究史と時代背景をそれぞれ250枚ほどの論文にすることを課題とした。2000年度には「ビューヒナー研究(四)第三部『ヴォイツェック』と『レンツ』の研究史」を、そして2002年度には「ビューヒナー研究(五)『ヴォイツェック』と『レンツ』の時代背景」という題名の論文を発表した。後者の論文は、これまでほとんど関心が向けられなかった当時の精神医学とビューヒナーの文学との関連を、フランスの精神医学者エスキロールの学説をビューヒナーがいかに受容したのかという一点に焦点を絞って論じたものである。この論で、ビューヒナーの代表作である両作品の基礎研究を今年度中に一応完成させた。 その他にも、ビューヒナーの時代と関連のある劇作家レッシングの『エミーリア・ガロッティー』についての試論を公表した。この論文は、ビューヒナー研究の際に徹底的に意識し習得したディスクール分析という方法を応用したもので、1990年代以降注目され始めた記号論の方法を用いたレッシング研究を批判的に摂取したものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 河原俊雄: "レッシングの『エミーリア・ガロッティ』試論-誘導のディスクール-"ドイツ・文学の描くその紋様 棗田光行先生退職記念論集. 61-80 (2002)
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[Publications] 河原俊雄: "ビューヒナー研究(五)-殺人者の言葉から始まった文学-第四部『ヴォイツェック』と『レンツ』の時代背景-"広島大学大学院文学研究科論集第62巻特輯号4. 62巻. 1-69 (2002)