2001 Fiscal Year Annual Research Report
時間性に関する構成的意味論とそのコンピューター言語学への応用
Project/Area Number |
11610537
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 芳樹 筑波大学, 文芸言語学系, 助教授 (30306831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 啓 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (50282017)
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Keywords | 意味論 / アスペクト・時制 / 語彙理論 / HPSG・DRT / 項構造 / 対照言語学 |
Research Abstract |
「対照意味論」という旗印の下に、文意味論の構成とその中での意味の分岐を情報の観点から言語対照的に探求しようとする当プロジェクトは、昨年度までの成果を踏まえ「状況構造理論」をさらに幾つかの方向に発展させることができた。今年度に具体的成果となったものは、次の三点に分けて考えることができる。第一に、語彙のレベルにおける状況の構造化の問題を程度(degree)と量化の問題として統一的に扱い、動詞の語彙に含まれる動的性格を定式化した。その際、従来動詞アスペクトとされてきたものがさらに事象と対象物の二側面に分けて校正されていることも示した。この問題解決の過程で、副詞、強意語のもつ量化的側面も明らかにされた。第二に、文レベルにおけるアスペクトの非特定性(underspecification)を明確に示し、文レベルにおけるアスペクトが実用論的に決定されていることを示した。またその関連で、いわゆる浮遊量化詞の解釈が、その内部構造と情報構造的位置によって決定されることを見た。特に意味論的に見て広い範囲で観察される意味論的抱合(semantic incorporation)が、ここでも役割を担っていることを示した。最後にアスペクトと時制の接点という観点から、日本語の複文における時制解釈をHPSGの枠組で示した。日本語の時制に相対時制の意味を付与してやることで、統一的な説明が可能になることを主張した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshiki Mori: "Eine mikroskopische Analyse des Verbaspekts und proportionale Quantifikation"Zwischenzeiten-Zwischenwelten: Festschrift fur Prof. Kozo Hirao. 333-350 (2001)
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[Publications] Yoshiki Mori: "Wie pragmatisch ist die Aspektkomposition?"Grammatische Kategorien aus sprachhistorischer und typologischer Perspektive. (2002)
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[Publications] 森 芳樹, 吉本 啓: "言語と認知のモデル-人工知能から見た言語と認知-"辻 幸夫(編)ことばの認知科学小事典. 461-472 (2002)
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[Publications] Yoshiki Mori, Kei Yoshimoto: "If a Quantifier is not floated, but moored or even incorporated: Complexity of Presuppositions in Local Domains"Proceedings of the 16th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation. 330-347 (2002)
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[Publications] Kei Yoshimoto, Yoshiki Mori: "Compositional Semantics for Tense in Japanese"Proceedings of the HPSG-2001 Conference. (2002)