1999 Fiscal Year Annual Research Report
中・ロ国境地域少数民族における精神文化・言語文化の構造変動に関する研究ー社会主義時期以降における伝統とその変化を中心にー
Project/Area Number |
11610540
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 宏 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00229626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潘 立波 東日本国際大学, 経済学部, 専任講師 (50316494)
金 敬雄 福島大学, 行政社会学部, 助手 (60292455)
柳田 賢二 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (90241562)
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Keywords | 中国朝鮮族 / 中・ロ国境地域 / 中・朝国境地域 / 朝鮮族 / 言語文化 / 精神文化 / ツングース / 社会変化 |
Research Abstract |
本研究は、中国とロシアの国境地域およびその付近に居住している少数民族の精神文化および言語文化が、社会主義の新中国およびソビエトが成立して以降、また1970年代末から1980年代に市場経済の導入と社会体性の変動が顕在化した中で、どのように構造変動しているか解明することを目的とし、本年度は研究の初年度として以下のような研究を行った。研究代表者の丸山宏は、特にエヴェンキ族、オロチョン族に関する中国語の資料を収集・分析し、新中国成立後の民族社会歴史調査の記述の確認をした上で、80年代以降の各民族内部での精神文化・言語文化の維持と喪失に関する重要な先行研究の整理を行った。柳田賢二は、朝鮮族がロシア領内と中国側で、どのように朝鮮文化・朝鮮語を継承しているかを研究するために、今年度は中国の延辺朝鮮族自治州の民族教育における歴史地理教科書の内容を漢族のそれと比較検証した。今後、公的教育の次元での民族文化の継承の課題を、ロシア側の状況と比べる計画である。金敬雄は、中国朝鮮族の精神文化・言語文化の変動を分担し、中国で短期の現地研究と資料収集を行い、関連する最新の研究情報を獲得した。新中国成立後、文革を経て、韓国と国交を持つに至る今日までの朝鮮族の言語学習意識、教育における教授内容と人の動き、帰属意識の変容等について分析を進めている。播立波は、ツングースに属する少数民族であるホジェン族の精神文化・言語文化の構造変動を分担し、ホジェン族の特徴の基礎的理解をはかりながら、中国語に訳された伊瑪堪とよばれる民間文学資料について、1930年代の文献と90年代の文献を収集できたので、その中の同一モチーフの作品群を比較する作業を行った。2年目の来年度は、上記の成果を取り込んで、報告書にまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 丸山 宏: "道教儀礼の言語と民族"田中純男(編)『死後の 世界インド・中国・日本の冥界信仰』東洋書林. 174-201 (2000)
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[Publications] 柳田 賢二: "アクセント・イントネーションの理論的位置付けについて-『文節的』と『超文節的』、『直接的』と『間接的』"東北アジア研究. 3. 273-291 (1999)
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[Publications] 金 敬雄: "井上哲次郎の『訂増英華字典』に於ける訳語の修訂についての考察"(福島大学)行政社会論集. 12・2. 34-79 (1999)
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[Publications] 潘立波: "中国語におけるパソコン用語 -日本語との比較を試みて-"東日本国際大学研究紀要. 4・2. 155-166 (1999)