2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610544
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 昭裕 京都大学, 文学研究科, 教授 (50135498)
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Keywords | 中世ロシア / 聖者伝 / ボリスとグレブ / 『過ぎし年月の物語』 / テクスト言語学 |
Research Abstract |
本研究は、11世紀後半にロシアで最初のキリスト教聖人に列せられたボリスとグレブの兄弟を主人公にした中世ロシアの一連の著作、すなわち(1)年代記『過ぎし年月の物語』の1015年〜1019年の記事、(2)いわゆる『無名作者によるボリスとグレブの物語』、(3)『ネストルによるボリスとグレブ講話』という3つの独立した作品の形をとって現れる「ボリスとグレブの物語」群を、従来の文献学的方法に加え、物語の構造分析やテクスト言語学といった20世紀後半になって用いられるようになった新しい方法論を用いて分析し、それら相互の関係、成立の経緯を明らかにすることを目的とする。4年計画の第3年度である本年は以下の作業を行った。(1)コンピュータ入力の終わった『過ぎし年月の物語』1015年〜1019年の記事、『無名作者によるボリスとグレブの物語』、『ネストルによるボリスとグレブ講話』その他幾つかの小テクストについて、並行する記事の相互参照が可能になるような形で整理する作業を行った。(2)前年度に引き続き、それぞれのテクストについて日本語訳、訳註作成の作業を行った。(3)前年度に引き続き、ロシアで行われた従来の研究のサーベイを行った。(4)年代記の記事、本研究の題材である「ボリスとグレブの物語」群、そしてそれ以外の聖者伝に現れる中世ロシアの公たち、聖職者たち、そして聖人たちの死がどのように記述されているか、その際どのような語彙を用いて表現されるかについて対照研究を行った。これについては、『古代ロシア研究』21に発表の予定である。
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Research Products
(1 results)