Research Abstract |
(1)対話セグメンテーション方式の提案 ・音声対話コーパスを利用して,対話の分析の単位となるセグメントを精度よく取り出す方式を提案した。 ・韻律,形態素,基本単位,談話行為,談話セグメントの情報が付与されている,課題にバリエーションのある課題遂行対話総14対話(総計52分40秒)を利用した。 ・1人1人の発話における「はい」,「わかりました」などの応答詞に着目して,対話セグメントを抽出する方法を提案した。再現率,精度は,それぞれ,平均98.3%,68.7%であった。 ・前記のアルゴリズムの精度を改善するために,データを分析して,表現の繰り返しと質問応答などの隣接ペアを考慮することにより,精度が,平均93.4%にまで改善できることを確かめた。(従来の手がかり語を用いた方法では,再現率,精度は,それぞれ平均50.2%,40.4%であった)。 (2)対話セグメントの主導権による分析 ・抽出したセグメントの意味的側面を考察するために主導権の概念に基づいてセグメントを分析した。 ・主導権の定義には,談話行為の種類に着目したもの,談話行為の流れに着目したもの,課題遂行の役割に着目したもの,の3種類の考え方があることを確認した。 ・成果(1)で抽出したセグメントは,主導権と密接に関係しており,どの主導権の考え方に対しても,主導権の範囲を区切るものとして利用できることを確認した。 (3)評価データの作成 ・成果(1)の性能の客観的な評価をするためのデータを作成した。 ・会議室スケジューリング対話72対話に対して,形態素,談話行為,談話セグメント情報を付与した。
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