1999 Fiscal Year Annual Research Report
13-4世紀のモンゴル社会における言語接触と言語変容の研究
Project/Area Number |
11610558
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
樋口 康一 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20156574)
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Keywords | 中期蒙古語 / 借用形式 / 多重言語状況 |
Research Abstract |
中期蒙古語に関わる現在までの研究成果を鋭意収集し、そこで使用されている借用形式-とおぼしきものを含む-の網羅的収集を試みると同時に、東洋文庫(東京都文京区)、大正大学図書館橋本コレクション(東京都北区)等国内の研究機関、さらには国外の諸機関に所在する未刊行の中期語資料を調査し、必要に応じて複写を入手して、そこで使用されている借用形式の網羅的収集を試みた。 収集した借用形式を、処理速度が速く記憶容量が大きな最新のコンピュータによって処理し、データベースとしての活用を含む多様な形態での利用が可能になるよう蓄積保存を心がけつつある。それにより作製した資料と、申請者の現在に到るまでの研究蓄積を活用して、借用形式の来源を解明することが目下の急務である。とりあえずは、真正の借用形式と疑似借用形式を峻別する作業に着手するとともに、各々の正体の解明作業を進めている。それに照らして明らかとなった13-4世紀のモンゴル帝国の言語状況を考察し、その多重言語状況下におけるモンゴル人の言語生活を、可能な限り具体的に解明する努力を続けている。 その成果の中間報告に当たるものは、昨年8月にチェコ・プラハ市で開催された国際アルタイ学会で発表し、各国の研究者の批判・助言を仰いだ。所要の修正を施し、さらなる成果を織り込んだ成果を、公刊する所存である。
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