2000 Fiscal Year Annual Research Report
「相づち行動」の機能・形態・分布に関する記述・分析
Project/Area Number |
11610565
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
川嶋 弘行 (西澤 弘行) 常磐大学, 人間科学部, 講師 (50296068)
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Keywords | 相づち / 会話 / 日本手話 / アイカメラ / 話者交替 / 重複発話 / 失語症 |
Research Abstract |
初年度に引き続き、「相づち行動」の機能・形態・分布に関する記述・分析を実際の録画・録音データに基づき行なった。加えて、相づち及び会話行動一般に関する(特に社会言語学、心理学、社会学の中のエスノメソドロジー・会話分析、人類学(特にアフリカ:ブッシュマンの会話に関する研究)、コミュニケーション論の)文献の研究を行なった。 初年度で、パイロット研究的に行なった日本手話(JSL)の相づち行動についてより詳細な研究を行なう為に、新に録画資料を作成し、JSLに於ける、話者交替の記述を試みた。その際、新しい試み(技術)として、JSLの話者にアイカメラを装着してもらい、別の二人の話者の会話のビデオを見てもらい、その視線の動きから話者交替を記述した。録画作成からすべての研究過程でCODAで日本語とJSLのバイリンガルの方の協力を得た。その結果、JSLに於ける話者交替は、日本語(そしておそらくは他の「音声-聴覚系言語」)と比べて、「重複発話」が多く、重複の時間も多く、また、重複部分の質も事なる事が明らかとなった。 また、朝鮮語(韓国語)・中国語、そして日本語の失語症患者及び幼児の相づちに関する資料収集とデータ化を行なった。これらについては、現在、資料収集・データ化、或いは、解析の作業の途中である。
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[Publications] 金澤貴之,樫田美雄,上農正剛,岡田光弘,西澤弘行: "ろう文化と社会学"徳島大学社会科学研究. 14号. 1-51 (2001)