2000 Fiscal Year Annual Research Report
依頼表現のポライトネスに関する実証研究:日中英対照
Project/Area Number |
11610567
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
都築 雅子 中京大学, 教養部, 教授 (00227448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 節子 県立姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (60305688)
張 勤 中京大学, 教養部, 助教授 (50298478)
|
Keywords | ポライトネス / 依頼表現 / 命令形(式) / 疑問形(式) / 勧め表現 / 第二言語習得 / 日本語 / 中国語 |
Research Abstract |
1 第2回認知科学国際学会(1999/7早稲田大学)で発表した研究(相手に負担および益になる行為を依頼する際の、依頼表現としての命令形式・疑問形式の丁寧度・適切度を日本語、英語、中国語に関して、調査・統計的分析を行ったもの。社会的要因変数は、「話し手と親しい者」、「話し手と同等の地位の者」に固定し、考察。)を、より精緻なものにするため、調査・分析を追加し、さらなる考察を行った。具体的には、日本語に豊富な敬語形式に関わる丁寧さの考察を加え、それと、命令形式・疑問形式という統語形式の違いによる丁寧さが、異なる種類の丁寧さであること(前者は、話し手と聞き手の社会的上下関係に関わり、後者は、依頼内容の負担度に関わる)を、アンケート調査とその統計的分析により示した。また、統語形式の違いによる丁寧さのアンケート調査を追加し分析した。英語は中国語と日本語とは異なった結果となり、統語形式の適切度に西洋と東洋という文化的要因が大きく影響することがわかった。 2 International Symposium on Linguistic Politeness(1999/12タイ、チュラロンコン大学)で発表した研究(認知科学国際学会で発表した研究をもとに、対象言語を敬語表現のない英語と中国語に絞り、社会的要因変数を「話し手と疎な者」、「話し手より上位の地位の者」に増やし、調査、統計的分析、考察を行ったもの)を、論文としてまとめた。現在、投稿中である。 来年度は、総まとめの年として、1の研究を押し進め、社会的要因とそれぞれの文化との関わり合いをより明らかにした上で、論文にまとめる予定である。最終的には敬語表現と統語形式によるポライトネスとの関わり合いを詳細に論じたものとしたい。また、第2言語学習者の丁寧度に関する調査も引き続き行い、第12回国際応用言語学会(1999/8早稲田大学)で発表した研究を発展させ、論文にまとめたい。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 都築雅子: "2種類の「死ぬ」表現の文法-to deathとto one's deathをめぐって"英語教育(大修館). Vol 49 No 9. 31-33 (2000)
-
[Publications] 宮本節子,浅井亜紀子: "自己知識客観指標による他者評定の試み"異文化コミュニケーション研究会.
-
[Publications] 宮本節子,エドワード・ヘイズ: "Internet Research Using the WWW in an EFL Writing Class"姫路工業大学環境人間学部研究報告. 第3号. (2001)
-
[Publications] 張勤 その他: "論「意義表現」、命題和話者心態的研究性質"エクス言語文化論集. 創刊号. 135-150 (2000)
-
[Publications] 張勤 その他: "語気と語気詞"好文出版. 290 (2000)
-
[Publications] 張勤 その他: "テンスとアスペクト"好文出版. 422 (2000)