1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610575
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 貞通 名古屋大学, 言語文化部, 教授 (80093011)
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Keywords | 環境文学 / 自然 / エコロジー / 南方熊楠 / ジョン・ミューア / アルド・レオポルド |
Research Abstract |
初年度である11年度は、予定どおり日米の環境文学関連の基礎資料を収集した。南方熊楠関連では、和歌山県田辺市の南方熊楠邸保存顕彰会と連絡をとり、現在進行中の資料整理作業や日記解読作業の把握につとめた。南方熊楠は身近な自然環境保全思想の先駆者として知られているが、今日における身近な自然環境保全運動の一例として藤前干潟保全運動の特徴を、生態学的、社会的、文化・精神的な三つのレベルで考察し、99年6月に米国ミシガン州で開催されたASLE学会第3回大会でで発表した。この大会では世界各国の環境文学研究者と交流し様々な研究上の情報を得た。その模様は「英語青年」誌上で報告した。 研究計画のもう一つの柱であるアメリカの環境思想はジョン・ミューアほかの原生自然の思想であるが、6月の渡米の際に、ウィスコンシン州に足を伸ばしジョン・ミューアおよびアルド・レオポルドゆかりの土地を訪れ、直接に風土を経験したほか、資料収集や現地の研究者達と接することができ有益であった。また8月に台北で開催された第8回台湾国際比較文学学会大会のエコクリティシズム関連シンポジウムにパネリストの一人として参加、東アジアにおける環境文学研究の現況を知ることができ、これも有益であった。米国ばかりでなく韓国や台湾の大学研究者との交流が芽生え、「日米」環境文学研究としてスタートした本研究は、当初の計画より広い背景を備えたものになる可能性がでてきた。
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Research Products
(1 results)