2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610575
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 貞通 名古屋大学, 言語文化部, 教授 (80093011)
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Keywords | 環境 / エコロジー / 環境文学 / 里山 / ジョン・ミューア / 南方熊楠 / 国立公園 |
Research Abstract |
平成12年度には、国立公園と里山に焦点を当てた研究を行った。ジョン・ミューアの自然保護思想がアメリカの国立公園創設に大きな寄与をしたことは知られているが、この制度による現在の米国の自然の状況を、日本に輸入された国立公園制度の自然および古くから営まれてきた里山の自然と比較してみると、多層的な問題が浮かび上がってくることが分かる。里山保全思想は南方熊楠の自然観に通じている。この日米の国立公園と里山の比較の研究主題をASLE-Japan/文学・環境学会の研究者たちに呼びかけ、2000年秋のASLE-Japan全国大会において「国立公園の自然と里山の自然」と題するシンポジウムを開き司会を務めた。里山という農林業を重視する自然のコンセプトと日本の新しい自然意識の動向には、アメリカの自然と農業・食料問題に関わる学者も関心を示しており研究情報と意見の交換を行った。また2000(平成12)年秋にはアメリカのASLE学会誌に論文を投稿し、掲載された(別記)。今年度の研究によって、三つのエコロジーという多層的な環境研究のアプローチは、有効であることをいっそう明らかにできた。
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Research Products
(1 results)