2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610577
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 崇 京都大学, 総合人間学部, 教授 (80065234)
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Keywords | イソップ / 寓話 / 福沢英之助 / 嵯峨の屋お室 / クルイロフ / 童蒙子女 |
Research Abstract |
研究の2年目に当たる本年は、昨年ロシアで収集した18世紀ロシアにおけるイソップ翻訳と、一連の寓話作家たちの作品の比較分析を行った。ロシアの寓話は19世紀になってからも姿形をかえて、巨匠たちの作中に組み込まれるが、これについては本年9月にペテルブルグのロシア文学研究所主催の国際会議で発表する予定である。 一方日本におけるイソップの受容については、渡辺温とならんできわめて早い時期に英語から翻訳した福沢英之助のものを分析している。ただし原典が不明のため研究には一定の制約があるが、ロシアとは違って、もっぱら「童蒙子女」の道徳教育教材として翻訳したのか(他の訳者たちにも共通する)に焦点を絞った考察を行っている。イソップ寓話だけでなく、明治期に嵯峨の屋お室、昇曙夢らによって日本に紹介されたクルイロフの寓話との比較も研究の対象としている。
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[Publications] Takashi Kimura: "Haxozacb B meny OpneHtaAu3Ma : Oopa3pl BOCTO4H61x NOAen B no∋Me A.C.Hymkuma ≪KaBkazckni Thehhuk≫"Japanese Slavic and East European Studies. Vol.20. 133-139 (2000)
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[Publications] 木村崇: "ロシア人との接し方"国際文化研修. 28号. 26-32 (2000)
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[Publications] 木村崇: "総合人間学を求めて2生命と環境"津田謹輔,小川侃. 300 (2000)