2001 Fiscal Year Annual Research Report
近代法形成過程のジェンダー的分析―18〜19世紀ドイツの性差論と立法への反映
Project/Area Number |
11620016
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
三成 美保 摂南大学, 法学部, 助教授 (60202347)
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Keywords | ジェンダー / 近代法 / ドイツ / 立法過程 |
Research Abstract |
(1)平成13年度は、(1)家族法史、(2)刑事法史、(3)男性論について、ジェンダー法史の観点から研究をおこなった。 (1)家族法史については、婚外子法にみるジェンダー・バイアスを中心に検討した。ドイツ民法典において規定された「支払の父」や婚外子の母への親権否定は、ワイマール憲法の婚外子保護条項(121条)成立後、活発な改正論議の対象となる。政府は3度の案を作成し、児童福祉関係団体、カトリック、フェミニズム団体等の諸団体がこれを批判した。この改正論議にみられるジェンダー・バイアスとその変化について、比較女性史研究会において研究報告を行い、また、論文を執筆した。論文は『女性史学』において発表予定である。 (2)刑事法史については、「風俗犯罪」の歴史的変遷について考察し、大阪大学の西洋史フォーラムにおいて研究報告を行った。 (3)男性論については、ジェンダー学会の2001年大会におけるシンポジウム「男性というジェンダー」で、研究報告をおこなった。テーマは、「軍事化された社会と<男らしさ>」であり、「男らしさ」の近代的性格とその生成・定着家庭を社会的ミリタリズムとの関連で考察した。シンポジウムの成果は出版される予定であり、そのなかに執筆を予定している。 (2)平成13年7月に共同研究会「ジェンダー法史研究会」をたちあげ、今後、本格的な比較研究をおこなうこととし、また、その成果を平成15年春の法制史学会においてシンポジウムとして発表する予定である。
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Research Products
(1 results)