1999 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける「スリムな国家」論と「行政システム改革」論の法学的研究
Project/Area Number |
11620028
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
白藤 博行 専修大学, 法学部, 教授 (90187542)
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Keywords | ニューパブリックマネージメント / 契約モデル / 顧客選択モデル / 市民誘導型モデル / 業績評価システム / 行政評価 |
Research Abstract |
わが国でも、ニューパブリックマネージメント(NPM)の影響が顕著となっている。グローバリゼーションの進展の中で、国家行政および地方自治行政が21世紀への過渡期にあり、さまざまな公共管理の模索に奔走している。公共管理の「現代化」のグローバルトレンドは、NPMの類型化によれば、伝統的な官僚的権限モデルから、「契約モデル」(成果管理型(MbR)ガバナンス)、「顧客選択モデル」(市場ガバナンス)および「市民主導型モデル」(市民社会ガバナンス)に分類され、一様ではない。同様に、国と地方自治体との関係の改革も、国による直接誘導型からマルチガバナンス的状況対応型へと変化を見せている。かかるNPMを最終的にどのように評価するかはなおも今後の研究課題であるが、公行政の効率性と実効性の改善に向けた持続可能な改革傾向であることは確認できる。ただ、この改革の成否を決め、あるいはマイナス面をいかに制御するかは、政治(過程)に依存する側面が大きい。その意味では、わが国の地方自治体が、オペラティブな政治やマネージメントから戦略的な政治やマネージメントへと変革可能なのか、行政の質の向上と費用の問題をどのように考えるのか、そして、行政の「現代化」を支える文化力があるのか、など解決が迫られる喫緊の課題は多い。 今年度の具体の研究成果は、公勤務領域への能力主義・成果主義との関係で、公務員の業績評価システム(Beurteilungswesen)の端緒的研究と、わが国のNPMの先端実験である三重県の事務事業評価システムなどの行政評価の基礎的理論研究にとどまった。
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Research Products
(2 results)