1999 Fiscal Year Annual Research Report
WTO法における産品の製造方法・製造工程に基づく貿易関連環境措置の取扱い
Project/Area Number |
11620032
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
平 覚 大阪市立大学, 法学部, 教授 (20163149)
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Keywords | GATT / WTO / PPM / 貿易関連環境措置 / 貿易と環境 |
Research Abstract |
1.本研究の出発点となった1998年9月の日独シンポジウムにおける研究報告「環境価値と貿易価値の調整」の原稿に大幅な加筆修正を行った論文、「環境価値と貿易価値の調整-ppmに基づく貿易関連環境措置のGATT/WTO法上の取扱いについて-」松本、西谷、佐藤編『環境保護と法-日独シンポジウム』(信山社、1999年)所収、を発表するとともに、この論文の英語版の原稿も執筆した(ドイツ・フライブルグ大学から2000年中に出版される予定)。 2.GATT/WTO法と貿易関連環境措置(TREM)の抵触状況を総合的に分析するため、GATT/WTO法における自由貿易体制の法的枠組および紛争処理手続制度の理解を深めるとともに、同紛争処理手続で扱われた環境関連の紛争事例を収集し、これらの分析評価に努めた。そのために、これらの問題について、WTO法研究会を組織し、専門の研究者からのレヴューも実施した。 3.環境破壊的な「生産工程・生産方法(ppm)」を原因として発動される多様なTREMの事例を収集・整理し、そこでの問題点を探求するため、ドイツ・フランクフルト大学環境法研究センターを訪問し、インタビューを行うとともに、意見交換を行った。また、今後の共同研究の実施の可能性についても交渉を行い、成果を得た。 4.OECDの貿易と環境合同作業部会におけるこの問題、およびより広く「貿易と環境」の問題に関する研究状況を調査するため、OECD本部を訪問し、研究員にインタビューを行い、関連するOECDの資料の収集を行った。 5.「貿易と環境」問題、とくにTREMとGATT/WTO法の抵触を検討する内外の資料、文献を収集し、関連する問題をより広い視覚から把握し、分析することに努めた。
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