2001 Fiscal Year Annual Research Report
法律上取締役でない者が会社経営に従事した場合に生じる会社法上の諸問題の総合的研究
Project/Area Number |
11620048
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北村 雅史 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90204916)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 取締役 / 執行役 |
Research Abstract |
法制審議会会社法部会が平成13年4月に公表した商法の抜本的改革提案(商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案(以下中間試案という)では、大会杜の経営機構として、社外取締役を中心メンバーとする各種委員会を取締役会に設置して取締役会を監督機関としての色彩の濃いものとし、監査役を置かず、会社経営は取締役であることを要件としない執行役が担当するという制度の導入が提言され、この提言は、平成14年2月の「商法等の一部を改正する法律案要綱(以下改正要綱という)」でも維持されている。取締役でない者が会社経営を担当するというシステムの採用の有無は、本研究のテーマとも深くかかわるものである。そこで、平成13年度は、中間試案から改正要綱に至る商法改正論議の検討と株式会社経営機構の比較法的検討に、本研究をシフトせざるを得なかった。 改正法関係では執行役と取締役会の関係に検討の中心を置いた。その中で、商法は株式会社の業務執行者について明確な規定を置いておらず、現行法のもとでも取締役以外の者に業務執行を行わせるという制度設計も可能であったのではないかという基本的問題も生じてきた。さらに、本研究テーマとの関係では「法律上執行役でない者」が経営を担当した場合の問題(いわば事実上の執行役の問題)が、事実上の取締役の問題とパラレルに考え得るかという論点も生じる。以上の問題について、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスおよび韓国の制度を比較法の対象とした。 これら制度論を中心とした今年度の研究成果は、「株式会社における経営管理機構改革」法学雑誌48巻4号においてまもなく公表する予定である。
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Research Products
(1 results)