1999 Fiscal Year Annual Research Report
国内市場における非競争性の国際的波及効果に関する理論的および実証的研究
Project/Area Number |
11630014
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
出井 文男 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90093541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 誠 慶応大学, 経済学部, 教授 (30191175)
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Keywords | ダンピング / カラーTV |
Research Abstract |
本年度の実施計画に従い、HOVモデルを用いた貿易の実証分析の文献を展望した。特にその中で重要と思われるTrefler(1995)では、自国財と外国財の間の代替性に関するArmingtonの仮定に注目が置かれている。われわれは、国内で生産されている財が外国から輸入されている財とどの程度代替的かということを考察するうちに、この問題がダンピングと密接な関係にあることを発見した。 1965年から1970年の時期すなわち日本製のカラーTVが米国市場に急速に進出したこの時期について価格や販売量についての統計を集め、整理を行なった。日本製カラーTVの価格には、急激に米国製TVから日本製TVに需要をシフトさせるようなカットオフ価格が存在することが確認された。 このようなカットオフ価格の存在により、限界費用よりも低いという意味での限界費用ダンピングが生じる可能性のあることを理論的に分析することにした。このような結果は、外国からの新製品が国内市場に導入されるときにダンピングが生じ易いことを意味する。 上記の分析は、"Dumping and New Products"というタイトルで草稿が書かれ、1999年12月に開かれた科研の研究会で報告された。
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