2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11630020
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
稲葉 敏夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30120950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 統一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (20151029)
藁谷 友紀 早稲田大学, 教育学部, 助教授 (20267462)
笹倉 和幸 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (90235284)
三澤 哲也 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (10190620)
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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Keywords | 景気循環 / 非線形差分方程式 / 微分-差分方程式 / ノイズ / 持続可能性 |
Research Abstract |
昨年度基礎的な研究を行った5次元非線形2国モデルの動学的性質を詳細に調べた。均衡点の局所的安定性の解析および数値シミュレーションによって動学的性質を明らかにした。1国の財市場の所得調整速度値の変化に対して、2国間の景気循環の関係が極めて敏感であることを示した。すなわち、所得調整速度のある値のもとでは2国が同時に好景気であったとしても、調整速度が若干変化すると一方の国は好景気、他国は不景気となる逆の現象が現れ得る。また、若干異なった調整速度値のもとでは景気の同期か現象は崩れる。さらには、ノイズの存在によって景気の同期化は崩れたり、逆に同期化が生じたりする。これらについては、浅田、稲葉、三澤、藁谷が研究を分担した。 人口と再生可能資源のダイナミックスを2次元差分モデルによって松本は明らかにした。イースター島のような孤立系にあっては、いかなる環境のもとで人口と資源の持続性が可能であるかを示した。経済実態に対する認知の遅れや政策実行までの遅れなどに起因して経済政策に遅れが生じる場合の複雑なダイナミックスを、微分-差分方程式を用いて浅田と笹倉が分析した。 以上の研究成果は、研究会をはじめとして5月のデンマークにおける国際会議と9月のドイツでの国際会議および11月の国内の学会において報告した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Asada,T.Misawa,T.Inaba: "Chaotic Dynamics in a Flexible Exchange Rate System"Discrete Dynamics in Nature and Society. Vol.4. 309-317 (2000)
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[Publications] -: "Nonlinear Economic Dynamics in a Two-Country Model with Fixed Exchange Rates"Proceedings of 2000 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. Vol.2. 515-518 (2000)
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[Publications] T.Asada,H.Yoshida: "Nonlinear Dynamics of Policy Lag in Simple Macroeconomic Models"- . Vol.2. 523-526 (2000)
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[Publications] A.Matsumoto: "Rise and Fall of Easter Island"-. Vol.2. 519-522 (2000)
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[Publications] T.Misawa: "Energy Conservative stochastic difference shemes for stochastic Hamilton dynamical systems"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. Vol.17. 119-128 (2000)