2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11630045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大住 圭介 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (10109621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 昭司 広島県立大学, 経営学部, 助教授 (30274418)
大坂 仁 九州大学, 大学院・経済学研究院, 助教授 (90315044)
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Keywords | 環境 / 内生的経済成長 / 研究開発 |
Research Abstract |
今年度の研究に関しては、個別的あるいは共同で、環境R & Dと内生的成長の問題が取り組まれた。研究代表者である大住は次のような研究を行った。片桐氏、南氏と共同でR & Dの結果である内生的技術進歩に関する理論的・実証的研究を行った。ジョーンズ型の内生的成長モデルを実証可能なモデルに修正し、併せて、韓国と日本に関してR & Dが経済成長に及ぼす効果を分析した。さらに、池下(大学院生)、伊ヶ崎助手と共同で、再生可能資源の動態的システムと内生的経済成長モデルを統合し、長期的均衡成長経路を中心に分析を行った。このような研究は全く新しいものであり、今後の有望な研究領域になると思われる。さらに、野田(大学院生)と共同で、オーヴァーラッピング・ゼネレーションズ・モデルのフレームワークのもとで、人的資本の蓄積と長期均衡経路の関連について理論的研究を行い、さらに、東アジアの国を対象にして実証分析を行った。結果として、政府の教育投資は経済成長誘発的効果を持っているという結果が導出された。 大坂はクズネッツの逆U字仮説について、アジア新興工業国における経済成長に伴う所得分配と環境問題の2つの側面から実証分析を行った。クロス・カントリー分析や時系列の回帰分析では、クズネッツの逆U字仮説が成立するかどうかは回帰式の条件次第であるという結果を導出した。所得分配に関するクズネッツ仮説については、所得レベルを示す変数のパラメータの安定性は低く、他の説明変数を付け加えるなどして、回帰式を修整した場合、仮説は指示されなくなるという結果を導出した。 先述したように、片桐は大住と共同で、内生的技術進歩に関する理論的実証的研究を行った。さらに、最近は、人的資本とイノベーションを含むモデルを研究している。
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[Publications] 大住, 片桐, 南: "内生的技術進歩に関する理論的・実証的分析"九州経済学会年報. 第39集. 37-41 (2001)
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[Publications] Osumi, K.Ikazaki, D., K.Ikeshita: "Human Capital Accumulation and the Use of Natural Resources in a Growing Economy"Proceedings of International Symposium on Innovation and Regional Growth in the Knowledge-based Economy. 211-217 (2001)
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[Publications] Osumi, K., H.Noda: "Human Capital and Steady Economic Growth"Proceedings of International Symposium on Innovaton and Reginal Growth in the Knowledge -based Economy. 87-94 (2001)
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[Publications] 大坂仁: "クズネッツ曲線の例証:経済発展、所得分配と環境汚染"経済学研究(九州大学). 68(1). 87-124 (2001)
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[Publications] 大坂仁: "環境クズネッツ曲線の例証:国際データによるクロスカントリー分析"Kyushu University Discussion Paper. 45 (2001)