地域づくりにおける民間非営利団体(NPO)の役割に関する実証的研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11630048
• Research Institution: University of Miyazaki
• Principal Investigator: 入谷 貴夫 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (30211759)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 八木 正 鹿児島短期大学, 助教授 (20259774) ; 西村 貢 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (00180646)
• Keywords: NPO / 民間非営利団体 / 地域づくり

Research Abstract

本年度は,宮崎県,鹿児島県及び岐阜県の3県合同で地域で活躍している「地域づくり団体」や「ボランティア団体」等の民間非営利団体(NPO)を300団体抽出して,11月から12月にかけてアンケート調査を実施した。その結果,約50%の回収率を得た。現在,回収したアンケートを集計している。
アンケート調査の目的と趣旨は次のようなものである。
NPO法の法人格の取得状況は,福祉や環境分野を中心とし,主に大都市圏に集中している状況が確認できる。また,最近の各種調査によれば,組織の財政や人材等の充実に対する要望が強いことが分かっている。同時に,行政の委託事業への志向が目立ち,行政依存傾向も強いという結果が出ている。
これらの状況を踏まえて,実際地域で活躍している民間非営利団体(NPO)の実情を把握し,とりわけNPO法人格を取得しない中小の団体のニーズを具体的に把握することを目的としてアンケート調査を実施した。
現在,都道府県レベルでは,地方圏独自の動きとして,NPO法とは別に中小のNPOを支援する条例を制定する傾向がある。今回のアンケート調査の結果で得られる地方圏の中小NPOのニーズをもとに,「支援システム」を提言していく予定である。これにより,NPO法と並んで,地域独自の支援システムの確立が実現できれば,民間非営利団体(NPO)は2重のシステムによって,地域で着実に活動できる可能性が生まれる。