1999 Fiscal Year Annual Research Report
個人の多様な行動様式に対応する社会経済システムのあり方と労働福祉政策の効率性
Project/Area Number |
11630058
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
今村 肇 東洋大学, 経済学部, 教授 (70176501)
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Keywords | 社会経済システム / 労働市場政策 / 福祉政策 / 社会保障 / 個人の選択肢 / 家族 / 社会福祉 / ライフサイクル |
Research Abstract |
日本とフランスの現在の社会保障・社会福祉制度について、総合的社会経済システムの視点から現状比較を行った。とりわけ、日本ではこれまで豊かさを実現するための重要な役割を企業内福祉が果たしてきたが、日仏の雇用システムのあり方の比較を行いながら、企業によって支えられている、労働および福祉をめぐる社会経済システム基盤の確認を行いながら、両国における違いを比較検証した。 さらに、家族と企業が、労働・福祉をめぐる社会経済システムにどのように関わるかについて、とりわけ個人の豊かさという基準に着目して比較検討を行った。その際、男性・女性の家庭、企業、社会での位置づけが重要な問題となるが、教育、就業、結婚、出産、育児などのライフサイクルに着目して、高齢化の進んだ今後の日本において、効率的に個人の豊かさを実現するために必要な男女の選択肢、およびそのために必要な社会経済システムの姿について検討するため、フランスの家族・企業をめぐる社会経済システムの事例の収集、分析を行った。 女性のライフサイクルと労働・福祉政策を考えるために、そのための視点として企業や社会による女性の就業支援支援制度と夫の家事分担を位置づけ、日仏制度の比較を行った。また、それぞれの国における、労働市場および企業の雇用制度、家族をめぐる制度のあり方が女性の就業支援と家事分担に与える、経済的・社会的効果について比較評価を行った。 本プロジェクトの主眼である、フランスと日本という異なった特徴をもつ社会経済システムの国の間で、ミクロの個人単位での様々な選択が総合してマクロの社会保障や社会福祉を含めた経済社会全体の問題を規定し、またそれが再び個人のあり方に影響を与えていくという姿を明確にするための準備作業であったが、次年度以降もさらに展開していく。
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Research Products
(1 results)