2000 Fiscal Year Annual Research Report
アジア金融危機のおける華人経済の変貌と日本の対応について
Project/Area Number |
11630062
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 華生 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (20230873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 恭幸 農林中央金庫, 開発投資部, 主事
小林 英夫 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (80052546)
西川 潤 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (10063653)
朱 炎 富士通総研経済研究所, 主任研究員
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Keywords | 華人・中華経済圏 / 華人企業グループ / 華人財閥 / 改革開放経済 / 両岸四地 / 為替管理 / 短期資本流入統制 / アジア経済危機 |
Research Abstract |
華人経済は1960年代より、東南アジア諸国で成長の兆しを見せはじめた。そして1980年代後半からアジア経済危機が勃発した1997年まで、急速な成長発展を成し遂げた。華人企業グループや華人財閥は最盛期を迎えた。そして華人企業の連携、華人企業の地域化・国際化が活発になった。その結果として、華人・中華経済圏が提起されるに至った。97年、アジア諸国は経済危機に遭遇した。「両岸四地」とシンガポールの経済は大きな打撃を受けていない。これからもこれらのチャイニーズ・エコノミーズは着実に発展していくと見られる(台湾経済は最近鈍化を見せているが)。華人・中華経済の強靭性をどう把握するか。華人・中華社会における為替管理や短期資本流入統制という経済政策は、アジア経済危機を防ぐ課題として、研究せねばならない。東南アジア諸国の華人企業グループは日本企業と提携協力によって、成長発展してきたものも少なくない。一方、中国過去23年間の改革開放経済発展も、日本の技術・資本・経営ノウハウのほか、日本政府経済援助(ODA)によるものも無視できない。日本は如何に「失われた10年」を取り戻し、経済再建を達成し、アジア経済危機後のアジア経済再生に経済協力を進めていくかが大きな課題である。日本は21世紀に向けて、チャイニーズ・エコノミーズとの一層の経済協力が肝要である。日本経済とチャイニーズ・エコノミーズとは相互補完的である。日本企業はアジア各国の地元企業との提携も重要だが、長年蓄積してきた華人企業の資本・経営ノウハウ・販売ルートの利用も欠かせない。「両岸四地」や東南アジア華僑・華人社会もアジア太平洋地域において、特に日本との経済協力が重要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林華生: "Recovering on Track? Lessons from the Asian Economic Csisis"アジア太平洋討究(創刊号). No.1. 215-235 (2000)
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[Publications] 林華生: "日本のバブル経済とアジアの再生"アジア太平洋討究. 第2号. 153-164 (2000)
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[Publications] 林華生: "日本在亜洲的作用"北京大学出版社. 202-241 (2000)