2001 Fiscal Year Annual Research Report
在宅の高齢障害者に対するホームヘルプ労働についての研究
Project/Area Number |
11630064
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐藤 卓利 立命館大学, 経済学部, 教授 (60178746)
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Keywords | ホームヘルプ労働 / 在宅ケア / 介護保険 / 要介護認定 |
Research Abstract |
デンマークでの在宅ケアサービスとくにホームヘルプサービスの状況についての聴き取り調査を踏まえて、わが国の介護保険制度下のホームヘルプ労働評価の問題点について研究した。 デンマークでは、要介護者がどの程度身体能力が残っているかを判断し記入する表が各基礎自治体ごとに工夫されている。全国共通の表は存在しない。ミュン市で使用されいる表の左の欄に縦に並んでいる項目は、1.食事、2.失禁、3.室内での移動、4.トイレ、5.移動、6.着替え、7.日常的衛生管理、8.食事のしたく、9.入浴、10.家事、11.戸外での活動、12.コミュニケーションである。この表に記入する方法は、横の0から3までの欄に以下の判断基準に沿ってチェックしていく。3と2は「自立」(Selvhjulpen)と判断されるカテゴリーで、3は「一人でできる。そしてする」。2は「一人でできる。そして補助器具などを利用してする」。1と0は「非自立」(Ikke selvhjulpen)と判断されるカテゴリーで、1は「ある程度の人的な援助あるいは動機づけがあればできるかもしれないが、しない」。0は「できない」。この4つの欄に訪問看護婦あるいはホームヘルパーが記入する。記入された内容をもとにして、在宅ケアに携わっている各職種の人たちが集まって、「この内容でこれくらいの介護であれば、何時間必要」という最終決定をする。 0〜3の数字は、日本の介護保険の要介護認定のように要介護度を数量的に表すものではない。15〜16年くらい前の病院での機能判断の時には、一時期的に点数計算が用いられたことがある。しかし「旨く行かなかった」ということで、今は用いられていない。0〜3を計算し数字のトータルを出して「何ポイントだからどの程度の介護が必要だ」というようなことはまったく行っていない。
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Research Products
(2 results)