1999 Fiscal Year Annual Research Report
会計制度の経済学-金融ビッグバンとディスクロ-ジャ--
Project/Area Number |
11630067
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
須田 一幸 関西大学, 商学部, 教授 (00171273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 公視 関西大学, 経済学部, 教授 (40188173)
柴 健次 関西大学, 商学部, 教授 (40154231)
松尾 聿正 関西大学, 商学部, 教授 (90067661)
小谷 融 関西国際大学, 経営学部, 教授 (50300364)
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Keywords | 会計制度改革 / ディスクロ-ジャ- / 金融ビッグバン / 契約の経済学 / 情報の経済学 / エイジェンシ-・コスト / 環境情報開示 / 実証研究 |
Research Abstract |
本年度の研究計画として、第1に、企業経営者による会計操作の実証研究を挙げていた。須田は、本年度、財務制限条項に抵触する企業の会計操作を分析した。すなわち、社債の発行時に財務制限条項を設けた企業は、条項違反を犯す直前期に会計数値を操作する、という仮説を設定し、それぞれの企業の会計発生高を分析することで、仮説を支持する証拠を得たのである。この研究は『関西大学商学論集』ならびに『財務会計の機能-理論と実証-』で公表した。 研究計画に挙げた第2のテ-マは、(1)金融システムの変更と企業会計制度のあり方と、(2)環境保護の問題と企業会計の関係を規範論的に分析することであった。(1)について柴は、自己株式の取得とストック・オプションの制度化に伴う企業会計の問題を検討し、その研究成果を『自己株式とストック・オプションの会計』として公刊した。また、竹下は、経済システムの変革を制度学派の視点から分析し、「時代動向と社会経済システムの変革」を発表した。小谷は、外貨建取引の問題を企業会計と税務の視点で考察し、その成果を『外貨建取引の会計と税務』で公表した。(2)について松尾は、企業による環境情報の開示を研究し、その結果を『環境情報開示論-企業行動の環境影響に関するディスクロ-ジャ-を中心として-』で公表した。それぞれの研究は、本研究組織の定例研究会で報告され、積極的なディスカッションを通じて成就されたものである。われわれの研究課題「会計制度の経済学-金融ビッグバンとディスクロ-ジャ--」は着実に進行しているといえよう。研究代表者と研究分担者による論文と著書は合わせて30本を超過した。
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Research Products
(35 results)
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[Publications] 須田一幸: "ディスクロージャーと企業組織"ディスクロージャー研究学会編『現代ディスクロージャー論』. 14-28 (1999)
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[Publications] 須田一幸: "情報の非対称性と会計基準"松尾聿正・柴 健次編著『日本企業の会計実態』. 139-166 (1999)
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[Publications] 須田一幸: "会計基準の設定主体"広瀬義州・田中 弘編著『国際財務報告の新動向』. 57-69 (1999)
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[Publications] 須田一幸: "政府契約と財務会計の機能"井上良二編著『財務会計の進展』. 134-153 (1999)
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[Publications] 須田一幸: "固定資産における減損の会計"醍醐 聡編著『国際会計基準と日本の企業会計』. 87-113 (1999)
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[Publications] 須田一幸: "財務制限条項と経営者の裁量行動"関西大学『商学論集』. 44巻・4号. 99-137 (1999)
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[Publications] 須田一幸: "経営者報酬システムと財務会計"関西大学経済・政治研究所 研究双書『経済システム改革と会計制度』. 第119冊. 32-64 (2000)
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[Publications] 松尾聿正: "環境情報開示の現状と課題"関西大学『商学論集』. 43巻・6号. 131-154 (1999)
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[Publications] 松尾聿正,柴 健次(共同執筆): "日本企業の会計実態"『会計』. 155巻・4号. 16-30 (1999)
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[Publications] 松尾聿正(代表): "アナリストから見た日本の会計制度改革(前)"『企業会計』. 51巻・6号. 99-100 (1999)
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[Publications] 松尾聿正(代表): "アナリストから見た日本の会計制度改革(後)"『企業会計』. 51巻・7号. 107-110 (1999)
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[Publications] 松尾聿正: "環境情報のディスクロージャー"ディスクロージャー研究学会編『現代ディスクロージャー論』. 210-222 (1999)
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[Publications] 松尾聿正: "最近の環境会計-ディスクロージャーの動向と今後の問題点-"細身 卓監修『新しい環境会計の実務はこうなる』. 2-22 (1999)
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[Publications] 松尾聿正: "会計方針の決定に影響を与える要因"松尾聿正・柴 健次編著『日本企業の会計実態』. 53-72 (1999)
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[Publications] 松尾聿正,柴 健次(共同執筆): "会計基準国際化対応動向調査について"松尾聿正・柴 健次編著『日本企業の会計実態』. 1-14 (1999)
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[Publications] 松尾聿正: "環境会計ディスクロージャーの動向"関西大学経済・政治研究所 研究双書『経済システム改革と会計制度』. 第119冊. 65-91 (2000)
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[Publications] 柴 健次: "金融リスク管理と会計処理"松尾聿正・柴 健次編著『日本企業の会計実態』. 53-72 (1999)
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[Publications] 柴 健次: "わが国の会計制度改革と企業経営"『公営企業』. 31巻・9号. 2-9 (1999)
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[Publications] 柴 健次: "時価評価会計の現代的意義"『建設業の経理』. 9号. 14-23 (1999)
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[Publications] 柴 健次: "わが国における公会計の研究課題"関西大学『商学論集』. 44巻・4号. 175-191 (1999)
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[Publications] 柴 健次: "わが国における地方自治体の貸借対照表導入問題"関西大学経済・政治研究所 研究双書『経済システム改革と会計制度』. 第119冊. 127-226 (2000)
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[Publications] 竹下公視: "経済体制から社会体制へ-社会科学の転換と制度論-"関西大学『経済論集』. 49巻・4号(印刷中). (2000)
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[Publications] 竹下公視: "制度論から見た「現代アジア」と日本"高崎経済大学付属産業研究所編『現代アジアのダイナミズムと日本』. (印刷中). (2000)
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[Publications] 竹下公視: "時代の動向と社会経済システムの変革-科学技術と社会科学の転換-"関西大学経済・政治研究所 研究双書『経済システム改革と会計制度』. 第119冊. 1-31 (2000)
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[Publications] 小谷 融: "会計ビッグバンが企業の経営を変える"『実業の日本』. 99巻・2号. 40-43 (1999)
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[Publications] 小谷 融: "時価会計が経営に与える影響"『企業会計』. 51巻・11号. 35-41 (1999)
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[Publications] 小谷 融: "研究開発費・ソフトウェア会計"『企業会計』. 52巻・1号. 56-62 (2000)
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[Publications] 小谷 融: "会計基準設定機関はどうあるべきか"関西大学経済・政治研究所 研究双書『経済システム改革と会計制度』. 第119冊. 92-126 (2000)
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[Publications] 須田一幸: "財務会計の機能-理論と実証-"白桃書房. 550 (2000)
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[Publications] 松尾聿正: "環境情報開示論-企業行動の環境影響に関するディスクロージャーを中心として-"白桃書房. 242 (1999)
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[Publications] 松尾聿正(代表): "アナリストから見た日本の会計制度改革-会計基準の国際化に向けて-"関西大学出版部. 132 (1999)
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[Publications] 柴 健次: "テキスト金融情報会計"中央経済社. 212 (1999)
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[Publications] 柴 健次: "自己株式とストックオプションの会計"新世社. 157 (1999)
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[Publications] 小谷 融: "外貨建取引の会計と税務"税務研究会出版局. 349 (1999)
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[Publications] 小谷 融: "時価経営入門"中央経済社. 191 (1999)