2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11630071
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
立石 昌広 長野県短期大学, 教養学科, 助教授 (10259260)
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Keywords | サービス / 中国の都市 / 社区 / 街道 / 居民委員会 / 単位主義 |
Research Abstract |
中国の都市サービス体系に大きな変化が引き起こされている。行政機構改革の影響で行政サイドでは営利事業を民営化していく方向である。ただし規模の小さな都市や町(鎮)などではまだ企業活動を多く残し、基層組織の財源としており、豊かな基層組織と貧しい基層組織の格差は広がっている。居民委員会の選挙が夏に行われたが形式的改革が先行している。このように急速な改革に経済組織の変化が着いていけないため矛盾が顕在化してきた。注目すべき以下の4点を指摘できる。一つは外地からの失業者を農村へ追い返して都市住民の中の失業者を優先的に就業させようとする政策のため強権が発動されており、都市と農村の差別構造が露骨に現れている。都市のサービス提供を受けられない層の人々がいる。ホームレスや乞食も多く存在している。二つ目はサービス市場経済が発展するとともにこれに一見逆行するようであるが高級住宅街と大単位の居住地域では悪しき単位主義のワンセット主義と閉鎖性が露骨に現れている。三つ目は都市化が進み、市場経済の波に乗った豊かな街道や居民委員会と土地や不動産などの財産を有する村民委員会はいっそう豊かになっている。この差別は大きい。繁華街では居民委員会の数も人口も減少し合併などの動きがある。四つ目は社区服務センターなどの行政サイドでのサービス体系に力を入れ、半官半民の第三セクターにも住民サービス機能をゆだねるというひとつのブームがある。こうして公的部門と民間と第三セクターなど住民にサービスを提供する機構、組織、団体などが発展をつづけている。
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