1999 Fiscal Year Annual Research Report
「改革・開放」経済体制下の現代中国農村社会と「共同体」・「家族」
Project/Area Number |
11630076
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
|
Keywords | 共同体 / 共同関係 / 共同労働 / 家族労働 / 同族 / 親戚 / 中国華北地方 / 社会主義市場経済 |
Research Abstract |
1、本研究の平成11年度における研究計画の柱は現代中国における「共同体」および「家族」に関する研究資料の整理を行うことであった。本研究を遂行するにあたっての準備作業として、研究代表者はこの数年間中国華北地方で実施された日中共同の農村調査に参加してきた。そこで本研究では、研究代表者が今までに蓄積してきたデータと「共同体」および「家族」に関する事実関係の照合を図り、研究対象とした華北の農村における農業の集団化、および「改革・開放」経済体制の実情を整理し、さらに他の農村調査等のデータおよび文献資料と比較検討し、今後の中国農村経済の動向について検討した。 2、申請当初では1999年9月に中国南開大学および山西師範大学で開催予定であった第三回中国抗日根拠地国際学術討論会で研究成果の発表をする予定であったが、開催が延期されたため、外国旅費を使用して本研究についてのレビューを実施することとした。特に本研究が資料として取り上げた農村調査データは、1990年から1995年までを取り扱った資料がほとんどであったため、1990年代後半期の農村経済の変化に関する資料が必要となり、1999年9月に北京市順義区沙井村、河北省欒城県寺北柴村、山東省平原県後夏寨村、天津市静海県馮家村で県および村の党書記等関係者にレビューし、この数年間の経済状況及び社会的変化についての知見を得た。 3、さらに近年盛んになった日中共同調査による「改革・開放」経済下での農村実態調査資料や、中国側農村調査の分析をおこなった。日本側資料は東洋文庫近代史研究室、東京大学東洋文化研究所、京都大学経済研究所、アジア経済研究所、山口大学東亜研究所等で収集した。中国側文献資料は、既存の資料の他に研究代表者が収集した資料を中心として利用した。なお入手した関係資料が当初予想した以上に厖大なために、基礎データーの整理及び入力が当初の計画より若干遅れたが、基本的には当初計画した研究計画に基づいておこなわれた。
|