2000 Fiscal Year Annual Research Report
「改革・開放」経済体制下の現代中国農村社会と「共同体」・「家族」
Project/Area Number |
11630076
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
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Keywords | 共同体 / 共同関係 / 共同労働 / 家族労働 / 同族 / 親戚 / 中国華北地方 / 社会主義市場経済 |
Research Abstract |
1、本研究の平成12年度における研究計画の柱は現代中国における「共同体」および同族や親戚も含めて「家族」に関する研究資料の整理を行うことであった。本研究を遂行するにあたっての準備作業として、研究代表者はこの数年間中国華北地方で実施された日中共同の農村調査に参加しできた。そこで本研究では、前年度と同様に、研究代表者が今までに集積してきたデータと「共同体」および「家族」に関する事実関係の照合を図り、研究対象とした華北の農村における農業の集団化、および「改革・開放」経済体制の実情を整理し、さらに他の農村調査等のデータおよび文献資料と比較検討し、今後の中国農村経済の動向について検討した。 2、申請当初では2000年9月に開催予定であった第三回中国抗日根拠地国際学術討論会で研究成果の発表をする予定であったが、再び開催が延期されたため、外国旅費分を関連資料の購入に切り替えた。そして2000年11月に東洋文庫で開催された「中国調査資料シンポジウム」などの機会を利用して、戦前期の日本の研究機関による中国実態調査資料を分析している中国社会科学院や上海市档案館の中国人研究者に、戦前・戦中期の農村経済構造と現代中国で提唱されている「社会主義市場経済」体制下の農村社会との比較研究についてのレビューを実施した。 3、さらに近年盛んになった日中共同調査による「改革・開放」経済下での農村実態調査資料や、中国側農村調査の分析をおこなった。日本側資料は前年度に引き続き、東洋文庫近代史研究室、東京大学東洋文化研究所、京都大学経済研究所や、さらに戦後の中国研究者が利用することが少なかった大分大学経済学部経済で中国での実態調査資料を中心に収集した。中国側文献資料は、既存の資料の他に研究代表者が収集した資料を中心として利用した。従って資料収集については本年度も当初の研究計画に基づいて実施することができた。
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