2000 Fiscal Year Annual Research Report
近世-近代日本農民の消費生活の比較研究-下総の寄生地主平山家と村方地主鏑木
Project/Area Number |
11630084
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
井奥 成彦 流通経済大学, 経済学部, 教授 (60184371)
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Keywords | 近世 / 近代 / 村方地主 / 寄生地主 / 鏑木家 / 平山家 / 消費生活 / 高級品志向 |
Research Abstract |
昨年度(本研究一年目)の到達点として、平成12年3月末発行の『千葉県史研究』第8号に、「近世-近代村方地主の消費生活-下総国香取郡鏑木村鏑木治郎兵衛家を素材として-」と題する研究ノートを発表したが、これは、それまでに撮影し分析した史料に基づく中間発表的なものであった。本年度はそれに引き続き、鏑木家・平山家の既撮影史料で未分析のものの分析(金銭出納帳、書出帳)と、未撮影の史料の撮影(鏑木家の近代の日記帳を中心とし、それに金銭出納帳若干)、及びその分析を行った。また一方で、近世-近代庶民の食生活史関係史料収集のため銚子・ヤマサ醤油を訪れ、関連史料の複写を行った。 鏑木家史料についてはすでに昨年度、上記「研究ノート」において、金銭出納帳を嘉永6(1853)年から明治45(1912)年にかけて約10年おきに計6冊用いて同家の消費生活を数量的に分析したが、本年度はその間の金銭出納帳の分析を行うとともに、日記の読解をも行った。それらが論文のかたちになるには今少し時日を要するが、金銭出納帳の分析年の間隔を詰め、また日記という、タイプの違った史料を用いることによって、よりきめ細かい研究となりつつあり、近世から近代にかけての農民生活の変化は明治維新といった政治史的画期よりもむしろ、日清戦争・日露戦争といった、近代に入ってからの国家的戦争の方が画期となったという仮説を補強することができた。
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Research Products
(1 results)