2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11630090
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
柴 孝夫 京都産業大学, 経営学部, 教授 (00135641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 一夫 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20121478)
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Keywords | 生産方式 / 組立加工型産業 / 生産技術者 / トヨタ生産方式 / 航空機工業 |
Research Abstract |
本研究は、日本の組立加工型産業において生産方式がどのような過程を経て生み出されてきたのかを、工場レベルでの資料を基にして実証的に明らかにしようとするものである。この目的を達成するために、本年度も昨年度に引き続き、この産業に属する企業の生産方式の生成に関係する資料の発掘を行った。今年度は、文献情報としては特に戦時期の日本の組立加工型産業の生産のあり方に注目し、アメリカ合衆国戦略爆撃団が行った航空機企業等の機械工業についての報告書のオリジナルドラフトをマイクロフィルムから焼きおこし、その判読に努めた。また、それと併行して、昨年度から行っている戦中・戦後期における中京地区の機械工業についての新聞記事の収集を行うと共に、その時期に東京で自動車製造メーカーとして特異な動きを行った太田自動車(高速機関工業)についても資料の探索を行った。さらに、今年度も昨年度に続いて、機械メーカーの実地調査を行った。今年度訪問したのは、三菱重工業長崎造船所、同下関造船所、トヨタ自動車等で各々の工場の生産方式についての資料調査及び関係者からの聞き取り調査を行った。これらの企業調査の過程で、今年度は三菱重工業長崎造船所において、日本能率協会が昭和30年代前半に行った生産管理方式についての調査とそれに基づく改善活動についての社内資料の一部を発見した。この日本能率協会の調査及び改善活動については、従来、部分的にしか明らかにされていなかったもので、部分的ではあるが、今回の資料の発見によって、その実体がある程度明らかに出来ることが期待される。日本能率協会にもこれに関する資料があるはずなので、次年度は同会の調査を行って、その発見に努め、それらを照合することで、高度成長期初頭の日本における生産方式の改善活動の実体に迫り得るものと考えている。
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