1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11630092
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
釜江 廣志 一橋大学, 商学部, 教授 (60091542)
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Keywords | semi-strongフォーム / 市場効率性 / 長期国債利回り / イベント・スタディ / カルマン・フィルター / ニュース |
Research Abstract |
今年度は、研究課題のうち、semi-strongフォームの効率性仮説のテスト、すなわち、公開情報の影響を調べるイベント・スタディにより効率性の検証を行うとともに、市場の効率性を高めるための方策を探った。 1991年1月から98年3月までの期間において、わが国の長期国債(現物)の流通利回りが日銀と資金運用部のオペを含むマクロ経済変数の二ュースの影響をどのように受けているかを、2種類の利回り、つまり指標銘柄と最長期物の日次利回りデータを用いて調べ、市場の効率性をテストした。分析の枠組みと考え方はPearce and Roley(1985)のそれを取り入れるが、ニュース部分の推計にはカルマン・フィルターを用いた。 国債利回りの変化幅が各変数のニュース部分に有意に反応するかどうかを、ニュース発生当日から6営業日後までについて調べたところ、ニュース発生の翌営業日から5営業日後までにおいてはいくつかの変数のニュースに有意に反応し、反応がなくなるまでに少なからぬ日数を要していて、迅速な反応だけが見られる訳ではない、すなわち、国債流通市場がsemi-strong formの効率性仮説を満たすとは言えないとの結果が得られた。 本研究の結果と釜江(1999)のテスト結果を合わせて考慮すると、国債流通市場では情報が効率的に取り込まれていない。このように市場の効率性が達成されない理由としては、まず、国債の発行が長期債に偏り、流通市場では先物の受け渡し適格銘柄である残存7年以上の債券に取引が集中していて、情報が効率的に使われていない可能性があること、さらに、政府や中央銀行の保有割合が高く、情報を効率的に利用して価格メカニズムを生かそうとする民間経済主体の行動が反映されにくいと考えられる。
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Research Products
(1 results)