1999 Fiscal Year Annual Research Report
国際マーケティング複合化における要因分析ならびに経営成果分析
Project/Area Number |
11630113
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大石 芳裕 明治大学, 経営学部, 教授 (40168860)
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Keywords | 国際マーケティング / 標準化 / 適合化 / 複合化 |
Research Abstract |
国際マーケティングの標準化問題については,過去40年間,論争が行われてきた。1960年代にはヨーロッパにおける広告標準化を巡る論争があり,70年代には各国市場の特殊性分析に基づいて現地適合化戦略の優位性が唱導された。80年代にはLavitt,T.(1983)論文「市場のグローバル化」に端を発した新たな標準化論争が起こる。90年代に入るとHisatomi,T.(1991),Sriram,V./P.Gopalakrishna(1991),Sandler,D,M/D.Shani(1992)などのような世界的標準化と現地適合化の中間領域を模索する動きや、Samiee,S/K.Roth(1992),Szymanski,D,M/S.G.Bharadwaj/P.R.Varadarajan(1993a,b)に見られるような標準化と経営成果との関係を追及する研究,さらにはBoddewyn,J,J./R.Grosse(1995)やBeechler,S.,et al(1995)などに代表される,標準化/適合化の決定要因を追求する研究も現れている。 しかしながら,これらの研究のほとんどは世界的標準化と現地適合化とを相反するものと捉えている。このような把握は,現在の状況から見て不十分であると言わざるをえない。とりわけ90年代に入り,競争条件の変化,市場の同質化・多様化,通信・運輸技術(とりわけインターネット)の発達,経営資源の蓄積,などを背景に多国籍企業は世界的標準化と現地適合化とを同時に追求せざるをえないようになっている。 本年度の研究によって,国際マーケティング複合化を巡る研究蓄積とその動向が把握できたが,これを基礎に来年度は要因分析と経営成果分析の実証研究に努めたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大石 芳裕: "在アジア日系企業における国際ロジスティックス戦略の展望"21世紀の企業経営(経営学論集69). 69. 62-73 (1999)
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[Publications] 大石 芳裕: "アジア環境問題に対する多国籍企業の役割"明治大学社会科学研究所紀要. 38/1. 167-182 (1999)
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[Publications] 安室憲一 編著: "地球環境時代の国際経営"白桃書房. 268 (1999)