1999 Fiscal Year Annual Research Report
経営のグローバル化における連結業績評価システム導入に関する実態調査研究
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11630128
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤野 哲也 長崎大学, 経済学部, 教授 (40264197)
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Keywords | グローバリゼーション / 連結経営 / 連結業績評価システム / 事業部制 / 海外事業部 / 国際会計基準 / カンパニー制 / 製品多角化度 |
Research Abstract |
本年度は,第一に企業団体、シンクタンク、コンサルティング会社などが集積している連結経営、連結業績評価システムに関する事例・資料の調査・収集を計った。この面で実際に連結業績評価システムの導入事例や導入企業数などのヒアリング成果があったのはコンサルティング会社で、日本企業においても製品事業戦略を連結ベースで考えようとする動きが確認できた。これに反して、企業団体における連結経営、連結業績評価システム問題への取り組みはまだ端緒についたばかりで、専門委員会を組織しての検討が始まった段階であると言える。グローバリゼーションへの対応はコーポレート・ガバナンス問題から始まり、次いで国際会計基準問題が取り上げられている。シンクタンクにおける取り組みの本格的なものは多くなく、いくつかの調査レポートの収集に止まった。 第二に、平行して来年度の本格調査における調査項目の設定、調査対象企業の決定を目的に、受け入れ可能企業の打診および予備訪問調査を実施した。予備訪問調査の対象企業としては製品多角化度の高い企業、製品多角化度の低い企業、新しくカンパニー制を導入する企業などを選択した。製品多角化度の低い企業においては連結業績評価システムのニーズは低いものの、海外事業に関して地域別損益把握の強化が指摘された。製品多角化度の高い企業の場合においても、事業部制採用の歴史は古いものの事業部別損益計算書の作成に止まっており、97年に社長直轄の連結プロジェクトチームができてから事業部別貸借対照表の作成まで行なうシステムに改めたというケースがあった。 次年度の本調査においては製造業を中心に、一部非製造業を含めて対象企業を選択し、連結業績評価システム導入の経緯、海外事業管理との関連、システムの具体的内容、人事評価との関連などについてヒアリングを行なう。
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