2000 Fiscal Year Annual Research Report
わが国金融機関における不良債権処理をめぐる会計的研究
Project/Area Number |
11630146
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
星野 一郎 信州大学, 経済学部, 教授 (10202300)
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Keywords | 時価評価 / 不良債権 / 金融機関 / 規制緩和 / 販売用不動産等 / 持ち合い株式 / 日本的経営 |
Research Abstract |
平成11年度に引き続き,わが国金融機関における不良債権処理をめぐる会計的研究,そのなかでもとくに時価評価制度にかんする問題を研究してきた。 本年度の研究実績は4つのテーマから成る。第1のテーマは会計処理とディスクロージャーとの関連性をめぐる問題である。ここでは,とくに金融機関の不良債権をめぐるディスクロージャー上の分類基準が貸倒引当金の計上という会計処理に影響をおよぼした事例を考察している。 第2のテーマは金融機関に関係する規制緩和と会計システムとの関連性である。有価証券の時価評価とその制度的背景をめぐる関連性を中心に検討している。金融市場等をめぐる規制が緩和されるほど,それに関係する会計情報や会計システムの充実が求められ,またそのことによって市場の効率性が向上する可能性がある。 第3のテーマは販売用不動産等に対する強制評価減の制度化をめぐる経済的影響である。この当時,こうした会計制度はいまだ制度化されていないにもかかわらず,多くの関係企業がそれを「先取り」した興味深い事例であった。 第4のテーマは持ち合い株式に対する時価評価である。いわゆる日本的経営の源泉のひとつとして,株式の相互持ち合いが挙げられることがある。こうした前提をもとにして,持ち合い株式の時価評価が日本的経営を崩壊あるいは変質させる問題について考察した。
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[Publications] 星野一郎: "金融機関の不良債権をめぐる分類基準と貸倒引当金の計上-会計処理とディスクロージャーの接点-"広島大学経済論叢. 第24巻第1号. 47-61 (2000)
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[Publications] 星野一郎: "金融機関・金融市場をめぐる規制緩和と会計システム-有価証券の時価評価とその制度的背景-"信州大学経済学論集. 第43号. 53-75 (2000)
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[Publications] 星野一郎: "販売用不動産等に対する「時価評価」とその影響-強制評価減にかんする会計的評価-"広島大学経済論叢. 第24巻第2号. 11-39 (2000)
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[Publications] 星野一郎: "持ち合い株式に対する時価評価問題-日本的経営崩壊・変質の可能性-"広島大学経済論叢. 第24巻第3号. 19-41 (2001)
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[Publications] 星野一郎(山地秀俊を編著者とする分担執筆): "日本型銀行システムの変貌と企業会計(神戸大学経済経営研究所 研究叢書第54号)"神戸大学経済経営研究所. 222 (2000)