Research Abstract |
まず,アジアにおける管理会計資科・文献のデータベース化については,「経済学文献季報」,雑誌「会計」を中心にして日本の管理会計実務,理論及びアジア太平洋地域の管理会計に関連する文献を1970年から1995年までの約25年にわたって整理し,目録を作る準備が出来た。さらに,中国の会計制度,実務,理論に関する文献についても整理を行った。文献は欧文と邦文にわたっており,その整理を経て,日本企業の世界市場での台頭とその管理会計がアジア諸国に与えた影響と世界的な関心度を明確にできるようになった。それとの関連で,アジアの通貨危機以後の経済・経営の事情を明確にするため最新の欧文文献を収集し,同時に,アジア地域の会計制度,税務,経営管理,管理会計に関する邦文文献を集め,分析を開始した。 つぎに研究結果についてのレビューと実地調査については,本来台湾,香港,シンガポール等の研究機関を訪問し,レビューーを受けるとともに,文献,報告書等を収集する予定にしていたが,研究代表者の病気のため出来ず,本年は国立台湾大学のJimmy Yang-Tzong Tsay教授を招請し,これまでの研究と今後の計画についてレビユーを受けるとともに,教授から台湾の管理会計実践に関する資料・情報の提供を受けた。さらに,教授と熊本学園大学の吉永講師からもレビユーを受け台湾と中国大陸での管理会計実践の比較を行った。また国内の各専門家と接触し,分析方法や研究課題について新たな情報を得ることができた。 本年度における全体的な成果としては,本格的な分析に入るための基礎的なデーターの整埋は完成できたこと,同時に,研究課題の分析方法となる現代管理会計のフレームフークも確定したこと,さらまた内外の研究者との討論を通じて本年度集中的に分析した北東アジア(日本,韓国,台湾,中国)の管理会計の構造について一定の視点を確立しえたことが挙げられる。
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