1999 Fiscal Year Annual Research Report
リスク情報システムの監査エキスパートへの接合モデル
Project/Area Number |
11630155
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀江 正之 日本大学, 商学部, 教授 (70173630)
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Keywords | リスク管理監査 / リスク情報システム / ルール適用モデル / スクリプトモデル / スキルモデル / リスクコントロール |
Research Abstract |
既製のリスク管理パッケージソフトをサーベイしてみると、リスク管理のためのさまざまな機能を統合的に取り込んでいるが、リスク分析(識別・測定)に重点を置くものが多く、リスク管理に必要な情報提供と伝達という側面が弱い。したがって、リスクアプローチに基づく監査計画立案プログラムへの接合には有用性が認められるものの、とりわけリスクの派生に着目したリスク管理プロセスの監査への応用という点では物足りない。 リスク管理のプロセスにおいて何らかの選択的判断(意思決定)を行い、コントロール活動を行う場合、リスク要因(リスクの原因と誘因)についての情報の品質が高ければ、それだけ将来予見能力についての概念である不確実性を低くすることができる。リスク情報システムの一つの重要な機能にかかるリスク要因についての情報提供があるが、それをリスク管理監査に応用し、監査エキスパートシステムとの接合モデルを構築しようとするとき、定型的にパターン化できるリスク要因であればルール適用モデルも有効である。しかし、「原因-誘因-帰結」の連鎖に着目してみたとき、それはきわめて複雑な繋がり方をしていることが多く、ルールモデルだけでは、とりわけ質的情報について断片的な抽出しかできない。リスク管理監査において、意思決定の妥当性やリスクコントロールの有効性を評価しようとする場合、定量的情報だけでなく、風評や状況などの質的情報を含め、連鎖の全体像を見渡せるモデルが求められることから、連想に基づくスクリプトモデルおよびスキルモデルの適用が有効である。
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Research Products
(2 results)