2000 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルな企業活動の分散と統合における戦略経営計画および業績評価
Project/Area Number |
11630156
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 孝 早稲田大学, 商学部, 助教授 (50216090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 健太郎 早稲田大学, 商学部, 講師 (40308169)
長谷川 恵一 早稲田大学, 商学部, 助教授 (60218443)
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Keywords | グローバル経営 / 分散と統合 / 戦略マネジメント / バランスト・スコアカード(BSC) / クロス・ファンクショナルチーム / 海外戦略 / バランスト-スコアカード経営 |
Research Abstract |
本研究において、明らかになった点は、グローバルな企業活動の分散と統合における戦略の策定およびその遂行のためのツールとして、バランストスコアカードが適切であるということである。 本研究においては、まず、グローバルな競争環境において競争優位を獲得するために求められる分散と統合というトレードオフの関係を、同時に管理するために必要なツールが何であるかという点から明らかにした。研究開発、生産、販売および物流などの諸機能のいずれを分散させ、いずれを集中させるのか、また、管理機能だけを統合させるのがよいのかについては今回の研究では結論は出なかったが、それぞれの海外拠点における海外戦略遂行のための計画と業績評価については、バランストスコアカードが理論上きわめて有用であるという仮説をたてた。この仮説を実証するために、わが国におけるグローバル企業だけでなく、わが国に進出している外資系の企業も調査対象に加え、積極的なフィールド・スタディを行った。その結果、主として欧米系企業の日本子会社では、詳細なバランストスコアカード経営が行われ、これにより成功している企業が多いことが判明した。翻って、わが国企業においては、近年になってバランストスコアカードを導入する企業が増加しつつあるものの、未だその概念的フレームワークの導入にとどまり、欧米で論じられているような精緻なシステムを組み込んでいる企業はなかった。このため、バランストスコアカード経営が、日本のグローバル企業において有用であることを実証するためのデータを入手することはできなかったが、継続的に調査を行い、戦略マップを使用した戦略マネジメントシステムとしてのバランストスコアカードの有用性を追求することが必要であると考える。
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[Publications] 長谷川恵一: "バランスト・スコアカードの意義-KaplanとNortorの所説の再検討-"早稲田商学. 388. 55-97 (2001)
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[Publications] 古賀健太郎: "原価企画に関する未解沢の研究課題"会計. 159-1. 13-29 (2001)
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[Publications] 古賀健太郎: "戦略的意思沢定と会計情報"早稲田商学. 387. 27-42 (2000)
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[Publications] 清水孝: "経営競争力を強化する戦略管理会計"中央経済社. 302 (2001)
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[Publications] 伊藤嘉博: "バランスト・スコアカード-理論と導入-"ダイヤモンド社. 243 (2001)