2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640016
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
横川 光司 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (40240189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (80242337)
武田 好史 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50227039)
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Keywords | ベクトル束 / 代数多様体 / モジュライ / ホッジ理論 / 非可換コホモロジー |
Research Abstract |
今年度は、主として代数多様体上の加群の層の複体のなす無限大カテゴリーとその無限大スタックとしての分類空間の構造について研究した。特に、シンプソンの非可換コホモロジーとして見たときにジェルブが自然に計算できることがわかった。近年中間サイクルの研究に関連してジェルブの研究が盛んになってきたが、この非可換コホモロジーによるジェルブの計算は有用となるであろう。また、この研究を通してホッジ理論とフロベニウスについてのカッツらによる研究が非可換の場合にも拡張できるのではないかという知見を得た。現在その方向で研究を続行しているが、そのためにクリスタリンコホモロジーの理論を非可換に拡張しなくてはならない。そこで、クリスタリンホモトピー理論の構築が重要であるということがわかった。この理論により、正標数の手法を用いて非可換コホモロジーの構造、特にベクトル束のモジュライの幾何学的情報をより詳しく計算できるようになる。特別な場合としてクリスタリンコホモロジーを含むため、クリスタリンコホモロジーの新しい計算方法となる。クリスタリンコホモロジーはほとんど計算されている例がないため新しい方法の発見は重要である。 また、研究分担者の武田氏との共同研究により、正標数の代数曲線上の前丹後構造が思ったより豊富に存在することがわかり、それにより小平消滅定理の正標数での反例を実際に沢山構成することができたが、その成果を雑誌に発表した。また、各地で非可換コホモロジーについて講演し、特に若い世代にその有用性を紹介した。 研究分担者の大場氏との研究では、モジュライの中のサイクルについての研究に非可換コホモロジーの理論、特にジェルブの理論が有用であるということがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 横川光司: "Rationality of moduli of parabolic sheaves on curve"Journal of London Mathematical Society. 59. 461-478 (1999)
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[Publications] 大場清: "Cutting and pasting of Riemann surfaces with Abelian differentials"International Journal of Mathematics. 10. 587-617 (1999)
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[Publications] 大場清: "Higher cycles on the moduli space of stable curves"Journal of Mathematical Society of Japan. 52. 231-267 (2000)
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[Publications] 大場清: "Embedding of the moduli space of Riemann surfaces with Igeta structures into the Sato Grassmann manifold"Perspectives of Complex Analysis, Differential Geometry and Mathematical Physics. 75-78 (2001)
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[Publications] 横川光司: "Pre-Tango Structures on Curves"Tohoku Mathematical Journal. (発表予定).