2000 Fiscal Year Annual Research Report
はめこまれた多様体の特性数のREDUCEによる計算
Project/Area Number |
11640055
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
菊地 茂樹 弘前大学, 理工学部, 助教授 (30003510)
|
Keywords | 多様体 / はめ込み / 特性数 / 同境類 |
Research Abstract |
コンパクト微分可能多様体が余次元3でユークリッド空間にはめ込まれているとき,次元が特別な形の場合には,その多様体の同境類は未決定であった。その最初のものは16次元に現れる。そこで,16次元の多様体についてWu類を,REDUCEソフトを使って,多項式の係数を取り出すCOEFFを利用して全て書き出した。それ等は3つの文字に関する最大16次数の多項式であり,手計算では膨大な時間が掛かるが,現在のPCでは瞬時に結果が得られる。少し前までは,大型計算機でも時間が掛かっていたものが,PCで高速に計算されるということは,今後は純粋数学でも計算機を使った結果が多くなるものと予想される。すると13次元のWu類から,1次,3次法特性類をそれぞれ,W_1,W_3と書くと,例えば,(W_1)^4(W_3)^3を含む特性数は全て0であることが容易に解る。また,12次元のWu類は0であることも得られた。従ってSq^{12}(x)=0が全ての4次コホモロジー類について成立することから,特性類に関して新たな関係式を得た。これらのデータを基にR.Stongの結果と照らし合わせて調べて見ると,16次元については,R.Stongより容易な方法で0でない特性数を調べる事が出来る。このことを現在プレプリントに取りまとめ中である。 次に未決定になっている次元は26次元と50次元であるが,これについても16次元のときと同様の方法でREDUCEが有効であり,Wu類を容易に書き出す事が出来る。しかし多項式に関する関係が多くなってしまうので,これについては,今は手を付けない。今後の問題としては,現在未解決になっている3次元多様体の分類問題と余次元3のはめ込み問題がどう関わっているかを調べることが優先課題である。
|