2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640061
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長瀬 正義 埼玉大学, 理学部, 教授 (30175509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 信二 埼玉大学, 理学部, 助手 (00261876)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
酒井 文雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (40036596)
奥村 正文 埼玉大学, 理学部, 教授 (60016053)
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Keywords | スピン / 四元数 / トウィスター / カイラルアノマリー / ディラック作用素 |
Research Abstract |
当研究代表者は前年度に引き続き,主にSpin^q構造(四元数Spin構造)に付随するトウィスター空間の無限小カイラルアノマリー(右手系か左手系かに関する異常項の計量に関する第1変分)の研究に取り組んだ。 前年度の数学的定義や意味付けについての考察の結果,そのアノマリー(本研究ではlog det δ_X∂と記される)を(計量g^Zの与える)ディラック作用素∂に付随する半群のC^∞-核e^<-t∂^2>のある種の2階微分δ_X∂^2e^<-t∂^2_ε>のトレースTr(δ_X∂^2e^<-t∂^2>)を使って定義することとし,特にそのトレースのt→0の場合の挙動の研究が重要であると認識した。今年度はそれの本質的部分と思われる断熱極限lim_<ε→0> log det δ_X∂_εの研究に取り組んだ。ここで∂_εはそのトウィスター空間の底空間方向にε^<-1>だけ引き延ばした計量g^Z_εの与えるディラック作用素であり,対応してトレースTr(δ_X∂^2_εe^<-t∂^2_ε>)のt→0&ε→0の場合の挙動についての考察が重要となる。そして当然その極限操作はt,ε達の減少スピードの相互関係をどう設定するかによって結果は大きく異なると予想され,本研究では0<t<ε^a(a>0)なる状態でのその極限操作による極限値について考察した。本研究者は,本質的と思われる断熱極限の真に本質的な部分はこの状態での極限操作より得られ他の状態での極限は消えてしまうと予想しており,更にその状態での極限値については予想(充分な準備が必要なので厳密な記述は最終報告に譲るが,それはA^^^-種数や超曲率のある種の微分に一致すると思われる)を持っている。
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[Publications] Masayoshi Nagase: "Twistor spaces and the adiabatic limits of Dirac operators"Nagoya Math.J.. 164. 53-73 (2001)
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[Publications] Masayoshi Nagase: "The adiabatic limits of signature operators for Spin^q manifolds"Osaka J.Math.. 38. 541-564 (2001)