2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640187
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬川 重男 大同工業大学, 工学部, 教授 (80105634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 英靖 大同工業大学, 工学部, 教授 (20139968)
多田 俊政 大同工業大学, 工学部, 教授 (90105635)
今井 英夫 大同工業大学, 工学部, 教授 (00075855)
中井 三留 名古屋工業大学, 名誉教授 (10022550)
成田 淳一郎 大同工業大学, 工学部, 助教授 (30189211)
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Keywords | マルチン境界 / 非有界被覆面 / ピカール次元 / 本態集合 / 擬カトー測度 / 有理型関数 / 補間点列 / ミルベルグ現象 |
Research Abstract |
研究課題について、1.リーマン面上の調和関数の境界挙動、2.ピカール原理、3.有理型関数の値分布論、4.有界正則関数の点分離及び関数環の理論、の4つのテーマに関する研究を行い、以下の結果を得た。1.瀬川は、「グリーン関数が存在するリーマン面とそれを基底面とする有限葉非有界被覆面に対して、被覆面上の正値調和関数が基底面の正値調和関数の持ち上げに限るための必要十分条件は、被覆面のマルチン境界と基底面のマルチン境界が射影によって同型である」ことを示した。また、単位円板の有限葉非有界被覆面で、その上の有界調和関数は単位円板上の有界調和関数の持ち上げに限るが正値調和関数についてはこれが成立しないものが存在することを示した。2.多田と中井は、原点に特異点をもつかもしれぬカトー測度に対して領域の変動によって引き起こされる原点における相対ピカール次元の変化の様子を研究し、その変化が3つのタイプに限定されることを示した。中井・多田は、原点空き円板上の回転不変正値密度に対してピカール原理が成立するとき、その密度の本態集合で、あらかじめ与えられたサイズの調和率を持つものが存在することを示した。3.上田は、ボレルの恒等式の不可能性の議論を使って、ある種の整関数の族に対し、そこに含まれる整関数は必ず奇数位数の零点を持つことを示した。4.成田は、ディリクレ問題に関する正則境界点持つ平面領域に対し、その境界点上にある有界正則関数環の極大イデアル空間の部分集合が峰集合でなければ、有界調和関数に関する補間点列であるが有界正則関数に関する補間点列ではないものが存在することを示した。中井は、ザルクマン領域の非有界被覆面におけるミルベルグ現象について、原点で一致の定理が成り立つことは、ミルベルグ現象が成り立つための十分条件であるが必要条件ではないこと示した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] S.Segawa: "Bounded harmonic functions on unlimited covering surfaces"京都大学数理解析研究所講究録. 1137. 86-103 (2000)
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[Publications] H.Masaoka: "Martin boundary of unlimited covering surfaces"J.d'Analyse Math.. 82. 55-72 (2000)
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[Publications] N.Jin: "Kuramochi boundary of unlimited covering surfaces"Analysis. 20. 163-190 (2000)
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[Publications] M.Nakai: "A form of classical Liouville theorem for polyharmonic functions"Hiroshima Math.J.. 30. 205-213 (2000)
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[Publications] M.Nakai: "Harmonic Liouville theorem for exterior domains"J.Math.Analy.Appli.. 253. 269-273 (2001)
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[Publications] 中井三留: "ピカール原理に於ける本態集合と除外摂動"大同工業大学紀要. 36. 11-20 (2000)
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[Publications] H.Ueda: "On entire functions of the form e^H+e^L+1 all of whose zeros are of even order with two polynomials H and L"大同工業大学紀要. 36. 5-10 (2000)
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[Publications] J.Narita: "Interpolating sequences on plane domains with hyperbolically rare boundary"京都大学数理解析研究所講究録. 1137. 71-78 (2000)
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[Publications] M.Nakai: "Existence of quasi-isometric mappings and Royden compactifications"Ann.Acad.Sci.Fenn., Ser.AI.Math.. 25. 239-260 (2000)
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[Publications] M.Nakai: "Dirichlet finite harmonic measures on topological balls"J.Math.Soc.Japan. 52. 501-513 (2000)
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[Publications] M.Hayashi: "A uniqueness theorem and the Myrberg phenomenon for a Zalcman domain"J,d'Analyse Math.. 82. 267-283 (2000)