1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640189
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 英徳 近畿大学, 九州工学部, 教授 (50108643)
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Keywords | 巾零リー群 / 可解リー群 / ユニタリ表現 / 軌道の方法 / 既約分解 / 重複度 / 不変微分作用素 / 単項表現 |
Research Abstract |
数年来巾零リー群G=exp gの単項表現τ=ind^G_Hχに付随する不変微分作用素環D_τ(G/H)の構造に興味をもち、τが有限重複度である事と、D_τ(G/H)が可換である事は同値であろうというDuflo-Corwin-Greenleaf予想の周辺を研究してきた。τが有限重複度ならD_τ(G/H)が可換となる事はCorwin-Greenleafにより92年に示されており、問題はこの逆を示す事である。より詳述すると、GにおいてH=exp hを含む余次元1の部分群G_0=exp g_0を考える。g^*におけるHの余随伴軌道はg^*_0との関係で殆どすべて飽和型か、殆どすべて被覆型かである。問題はこの可能性が、G_0からGへのステップにおいてD_τ(G/H)がそのままであるか、あるいは拡大するかに対応している事を示すことである。部分群Hの存在はgの対称代数から普遍包絡環への対称化写像の利用を困難にしており、可解リー群の研究手法である数学的帰納法を適用しうる枠組みを考察する必要があった。 そこでh=RX+h_0とhにおいて余次元1の部分環h_0を考え、D_p(G/H_0)(ρ=ind^G_<H_0>χ,H_0=exph_0)に結果を仮定し、ad XをD_p(G/H_0)の作用素とみなすことにした。まずこの作用素が十分な柔軟性をもつとき、H-軌道が被覆型ならばD_τ(G/H)が拡大する事を示し、4月初旬ラスベガスにおけるアメリカ数学会分科会で発表した。 6月Magneron氏の招待で1カ月Paris13大学を訪問した時、この作用素が十分な柔軟性をもたない場合の研究についてある着想を得、彼及びLion、Mehdi両氏をまじえた4人で共同研究を推進した。その後学振で来日したフランスMetz大学のLudwig教授と議論し、またこの科研費でLion氏を1月末から9日間程近畿大学九州工学部に招聘し研究を進めた。その結果前期予想を証明し、副産物としてτに対するある種の相互律をも示しえたと思われる。現在4人でその証明を再検討中であり、点検を終え次第まずC.R.Acad.Parisに報告する予定である。
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