2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640193
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
西本 敏彦 高知工科大学, 工学部, 教授 (60016061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 泰 高知工科大学, 工学部, 講師 (80299370)
関口 晃司 高知工科大学, 工学部, 助教授 (80163096)
井上 昌昭 高知工科大学, 工学部, 助教授 (50168465)
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Keywords | 複素WKB法 / Fedoryuk理論 / 動く鞍部点法 / 変わり点 / 特性領域 / ストークス曲線 / 接続公式 |
Research Abstract |
複素WKB法の3階以上の高階微分方程式への拡張は分子運動論などへの応用上重要であるにもかかわらず極めて不完全である。我々はBerk, Nevines, and Robertsが論文:"New Stokes Lines in WKB theory",J. of Mathematical Physics,23(6)(1982)988-1002において例として取り上げ3階微分方程式と本質的に同じである次の方程式、以下これをBNR方程式と呼ぶ: ε^3y'''-3εy'-2zy=Oを取り上げ、全複素平面上における解の漸近展開の存在領域、接続公式の導出等、大域的WKB理論の基本的な問題を解決する事が出来た。方法は2階微分方程式の研究に用いられたFedoryuk理論の拡張と、接続公式をラプラス積分で表された解に鞍部点法とコーシーの積分定理を用いることである。本質的なブレークスルーは6枚の複素平面からなるリーマン面上のStokes曲線を1枚の複素平面上へ1体1に写す写像を発見したこと、コンピュータグラフイックスの活用、及び動く鞍部点法を適用することである。 我々が取り上げた方程式は極めて簡単な方程式であるが、1982年Berk, Nevines and Robertsによって発表された論文以来20年を経てほぼ完全な解析が完成したと云えよう。又、解析の方法は高階微分方程式の大域的な漸近理論を得る上で一つの指針を与えるものである。これらの結果は近く論文として発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koji Sekiguchi: "Sheaves on Local Ringed Spaces Associated to Hilbert Rings"Tokyo Journal of Mathematics. 24・1. 309-317 (2001)
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[Publications] Yasusi Kasahara: "An expansion of the Jones representation of genus 2 and the Torelli group"Algebraic & Geometric Topology. 1. 39-55 (2001)