2000 Fiscal Year Annual Research Report
完備リーマン多様体の幾何的構造とスカラー曲率の方程式
Project/Area Number |
11640209
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加藤 信 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10243354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義武 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20271182)
加須栄 篤 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40152657)
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Keywords | スカラー曲率 / 共形変形 |
Research Abstract |
本研究は「リーマン多様体上のどのような滑らかな関数が、初めに与えられた計量の共形計量のスカラー曲率として実現され得るか?」と言う問題を定式化した、いわゆるスカラー曲率の方程式についての、完備リーマン多様体の場合への取り組みである。 この研究目的に沿い、平成12年度は、これまでに得られている諸結果について以前日本語でまとめ「数学」に発表した解説記事に最新の情報を盛り込みながら、今回は英文でまとめた。この記事は次年度以降に「SUGAKU」(AMS)に掲載される予定である。また、前年度に引き続き本年度も、完備リーマン多様体の幾何的構造の研究と言うより広い立場で問題を捉えて行くために、スカラー曲率の方程式において見られる諸現象と多くの共通点を持つ他の変分問題の最新の研究について、情報交換を目的とする研究交流を行った。具体的には、前回に引き続きキルヒホッフ弾性棒、調和写像について、さらにまた、変形ウィルモア汎関数や情報幾何、グラフ理論等における話題についても、最新の状況を踏まえた比較検討を行った。さらに本年度は、これら変分問題に共通して解の存在証明或いは構成において強力と考えられ、近年特に研究の盛んな連結和による接合法に注目し、その過程を逆に見た、いわば曲率の集中に伴う分離現象、これは一つのバブルと見ることも可能なのであるが、これを特に2次元の場合をモデルとして分析した。この研究は次年度以降も引き続き行う予定である。
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