1999 Fiscal Year Annual Research Report
Navier-Stokes方程式に現れる特異摂動の解析
Project/Area Number |
11640211
|
Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
松井 伸也 北海道情報大学, 経営情報学部, 助教授 (50219367)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 卓 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30192389)
|
Keywords | Navier-Stokes方程式 / 非定常境界層方程式 |
Research Abstract |
平成11年度は本研究の最初の年であったので、基礎的な研究を行った. 共同研究者の柳沢氏とは,Navier-Stokes方程式の特異摂動方程式である非定常境界層方程式を次の様な側面からの解析を行った.ある仮定の下に導かれるStagnation Point上の2階非線形放物型方程式を取り扱った.その方程式は遅れの項(積分項)を非線形項として含む方程式である.松井はその定常解(遅れを持った非線形常微分方程式)が存在しないことを示し,柳沢は非定常解の局所存在を示した,これらの結果は現在のところ満足行く結果には達していないので,今後の研究と併せて発表していく予定である. また松井は本研究に対する別の側面の基礎として,Navier-Stokes方程式の構造を調べる研究を北海道大学の儀我氏とその学生とで行った.具体的には初期値問題を取り扱ったのであるが,その初期値に対しては「空間の無限遠での減衰」は仮定せず解の存在とー意性を取り扱った.次の結果を得た. 初期値がソレノイダルであり且つ有界ー様連続な関数としたとき,時間大域的なtempered distributionの意味のー意解,即ち速度場u(t,x)と圧力場p(t,x)が存在する.ただしp(t,x)=\sumR_iR_j u^iu^jとおく.なおu(t,x)=(u^i(t,x))としR_jはRiesz作用素である. さらにー意性に関しては,上の結果でp(t,x)=\sumR_iR_j A_{ij}としても成り立つという結果を得た.ただしA_{ij}は本質的に有界な関数である. 以上が本年度における研究実績の報告である.
|