1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640226
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蜂巣 泉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90135533)
|
Keywords | Ia型超新星 / 連星系 / 恒星風 / 新星爆発 / 超軟X線源 / 質量降着 |
Research Abstract |
Ia型超新星への進化経路をさぐる上で、質量降着白色矮星がどのようにその質量を増加させて行き、最後にチャンドラセカール限界質量まで達するのかを調べることは、非常に重要なことであるが、まだ完全には理解されていない。計画初年度の11年度は、まず、(1)質量降着白色矮星上で起こるヘリウム・シェル・フラッシュ時にどの程度の質量が白色矮星表面から逃げて行くのかを理論的に見積もった。(Kato and Hachisu 1999)この結果、白色矮星上で、定常的に水素核燃焼が進行しているような場合でも、1割から2割の質量が白色矮星から逃げていくが、それ以外は燃えて炭素・酸素になり、白色矮星が効率的に太ることを明らかにした。 この結果を応用して、(2)白色矮星とそれより重い主系列星からなる系の進化を追いかけて、実際にIa型超新星になることを示すことができた。この結果は、Li and van den Heuvel(1997)が私達の古いデータを使ってすでに示したことではあるが、今回、吸収係数を新しくした場合の結果を使って、我々が再確認したことになる。また、Yungelson and Livio(1998)が星の種族解析を行って、白色矮星+主系列星の系は、必要なIa型超新星の十分の一程度しかできない、という反論に対して、連星進化の見直しを行い、進化の途中でヘリウム巨星になった段階で、ヘリウム質量移動が主系列星の方に向かって起こることを指摘し、この経路を考慮すると、十分な数のIa型超新星が生まれることを示すことができた。(Hachisu,Kato,Nomoto,and Umeda 1999)また、(3)白色矮星+赤色巨星の系の進化経路にも応用し、実際に観測を十分説明する数のIa型超新星が生まれることを明らかにすることができた。(Hachisu,Kato,and Nomoto 1999)
|
-
[Publications] Hachisu, I. 他3名: "A Theoretical Light-Curve Model for the 1999 Outburst of Uscorpii"The Astrophysical Journal. 528. L97-L100 (2000)
-
[Publications] Umeda, H. 他4名: "The Origin of the Diversity of Type Ia Supernovae and the Environmental effects"The Astroplysical Journal. 522. L43-L47 (1999)
-
[Publications] Hachisu, I. 他2名: "A Wide Symbiotic Channel to Type Ia Supernovae"The Astrophysical Journal. 522. 487-503 (1999)
-
[Publications] Hachisu, I. 他3名: "A New Evolutianary Path to Type Ia Supernovae Helium-rich Supersafe X-ray source Clannel"The Astrophysical Journal. 519. 314-323 (1999)
-
[Publications] Hachisu, I and Kato, M.: "A New Interpretation for the Second Peak of T Coronae Borealis Outburst"The Astrophysical Journal. 517. L47-L50 (1999)
-
[Publications] Kato, M.and Hachisu, I.: "A New Estimation of Mass Accumulation Efficiency in Hellium Shellflades"The Astrophysical Journal. 513. L41-L44 (1999)