2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蜂巣 泉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90135533)
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Keywords | Ia型超新星 / 連星系 / 恒星風 / 新星爆発 / 超軟X線源 / 質量降着 |
Research Abstract |
Ia型超新星への進化経路をさぐる上で、質量降着白色矮星がどのようにその質量を増加させて行き、最後にチャンドラセカール限界質量まで達するのかを調べることは、非常に重要なことであるが、まだ完全には理解されていない。計画初年度の平成11年度は、まず、(1)質量降着白色矮星上で起こるヘリウム・シェル・フラッシュ時にどの程度の質量が白色矮星表面から逃げて行くのかを理論的に見積もった。また、この結果を応用して、(2)白色矮星とそれより重い主系列星からなる系の進化を追いかけて、実際にIa型超新星になることを示すことができた。(Hachisu, Kato, Nomoto, and Umeda 1999)また、(3)白色矮星+赤色巨星の系の進化経路にも応用し、実際に観測を十分説明する数のIa型超新星が生まれることを明らかにすることができた。(Hachisu, Kato, and Nomoto 1999) 2年目の平成12年度では、われわれがいままで指摘してきた進化経路上の実際の対応物を理論的に明らかにすることができた。まず、(4)1999年2月に6度目の爆発が観測された、回帰型新星U Scoの光度曲線を理論的に解析し、白色矮星の質量がチャンドラセカール限界質量近く、Ia型超新星爆発寸前であることを示した。(Hachisu et al. 2000a,およびHachisu et al. 2000b) 3年目の平成13年度では、(5)回帰型新星の中で、白色矮星+赤色巨星の系に属するT CrBやRS Ophなどの光度曲線を理論的に再現することができ、白色矮星の質量がチャンドラセカール限界質量近く、Ia型超新星爆発寸前であることを示した。(Hachisu and Kato 2001b)(6)また、2000年4月に2度目の爆発が観測され、新しく回帰型新星となったCI Aqlについての光度曲線解析を行い、白色矮星の質量は1.2倍の太陽質量であり、チャンドラセカール限界質量である1.4倍よりはかなり小さいことを示した。(Hachisu and Kato 2001a)
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[Publications] I. Hachisu: "Prediction of the Supersoft X-Ray Phase, Helium Enrichment, and Turnoff Time in the 2000 Outburst of the Recurrent Nova CI Aquilae"The Astrophysical Journal. 553. L161-L164 (2001)
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[Publications] I. Hachisu: "Recurrent Novae as a Progenitor System of Type Ia Supernovae. I. RS Ophiuchi Subclass : Systems with a Red Giant Companion"The Astrophysical Journal. 558. 323-350 (2001)
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[Publications] K. Maeda: "Explosive Nucleosynthesis in Aspherical Hypernova Explosions and Late-Time Spectra of SN 1998bw"The Astrophysical Journal. 565. 405-412 (2002)