1999 Fiscal Year Annual Research Report
原子核合成理論とTeVガンマ線放射から見た宇宙線の超新星起源モデルの検証
Project/Area Number |
11640249
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
柳田 昭平 茨城大学, 理学部, 教授 (40013429)
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Keywords | 超新星残骸 / 高エネルギーガンマ線 / 宇宙線 / 衝撃波加速 |
Research Abstract |
超新星残骸(SNR)が銀河宇宙線の主たる源であることが、エネルギー的考察、衝撃波による粒子加速機構、宇宙線源の化学組成から示唆されている。またガンマ線観測衛星EGRETによるGeV領域の最近の観測から、このエネルギー領域の宇宙線が、SNRで加速されていることが示唆されている。しかし、TeV領域、またKnee領域までの宇宙線がSNRで加速されている直接の証拠は極めて少ない。解像型チェレンコフ望遠鏡(IACT)を用いたCANGAROOプロジェクトは、シェル型超新星残骸SN1006からのTeVガンマ線の検出に成功し、100TeVまでの電子加速の直接証拠を世界に先駆けて示した。 本研究では、X線観測衛星ASCAによりシンクロトロンX線が検出されているSNR RXJ1713.7-3946(以後1006Jrと呼ぶ)をCANGAROO 3.8m鏡により観測し、そのデータを解析した。このSNRのNWリムから約5.6標準偏差の有意度で2TeV以上のガンマ線放射が検出された。またガンマ線放射は拡がっており、その領域はASCAによるX線で最も明るい領域とほぼ一致することをつきとめた。このTeVガンマ線は、SN1006の場合と同様に、1006Jrの物質密度が低いことから、宇宙背景放射の逆コンプトン散乱によると推定される。さらに、ASCAによるX線強度と本研究によるTeVガンマ線強度から、このSNR中の平均磁場強度は約10マイクロガウスであると計算された。また、衝撃波加速による電子の最高エネルギーは、求められた磁場強度から、約100TeVになると推定された。これらの結果は、SNR中での衝撃波による100TeV領域までの粒子加速の直接証拠となるものである。
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Research Products
(1 results)