2001 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク自由度を考慮したハイパー核の性質とインスタントンの効果
Project/Area Number |
11640258
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
竹内 幸子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (90251503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 清孝 上智大学, 理工学部, 教授 (00143363)
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Keywords | ハイパー核 / クォーク模型 / 逆散乱問題 / 斥力芯 / パウリ排他律の効果 |
Research Abstract |
本年度は、クォーククラスター模型(QCM)から導出される近距離での斥力芯の性質について、逆散乱問題を応用して調べた。特に注目した系は、NN^1S_0とΣN(T=3/2)^3S_1である。 逆散乱問題を用いて同じOn-shellの性質-位相差とbound state energyと対応するresidue-を持つ局所ポテンシャルを構成し、その性質を見ることによって、クォークに対するハミルトニアンの各項のバリオン間相互作用に対する役割を、明確にしようとしたものである。 QCMの2核子系の位相差を再現するような局所ポテンシャルは短距離部分に強い斥力を持つ。しかし、非局所ポテンシャルが高エネルギー領域で弱まることを反映して、非常に短距離には引力が現れる。ほとんど禁止される状態があるΣN(T=3/2)^3S_1では、この傾向はより顕著である。 更に、クォーク間相互作用の各項の寄与を別々に調べた。NN^1S_0チャネルでは、近距離の斥力芯はクォーク間相互作用の核子とデルタ粒子の質量差を導く項に起因し、ΣN(T=3/2)^3S_1チャネルでは、クォーク間に働くPauli-blockingの効果に起因することが明確に示された。 また、散乱状態の波動関数を調べることにより、0ff-shellの性質を調べた。その結果、NN^1S_0チャネルでは、クォーク模型から得られた波動関数が、局所ポテンシャルによるものとほぼ一致することから、Off-shellの性質も、局所ポテンシャルで近似されることが示唆された。逆に、ΣN(T=3/2)^3S_1チャネルでは、強いPauli-blockingの効果のために、波動関数の形が明らかに異なり、特に非局所性が重要であることがわかった。
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[Publications] K.Shimizu, Y.B.Dong, A.Faessler, A.J.Buchmann: "A Relativistic Description of Constituent Quarks"Physical Review. C63. 025212-(1)-025212-(15) (2001)
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[Publications] Y.B.Dong, K.Shimizu, A.Faessler: "Meson Cloud and Electroproduction of Delta(1232) Resonance in a Relativistic Quark Model Approach"Nuclear Physics. A689. 889-902 (2001)
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[Publications] M.Furuichi, K.Shimizu: "Description of SU(3) Octet and Decuplet Baryons"Physical Review. C65. 025201-(1)-025201-(9) (2002)