2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640260
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻尾 彰一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / 加速源 / 化学組成 / knee領域 / 超新星残骸 / 中性子星 / 宇宙線伝播 |
Research Abstract |
本研究では、空気シャワー観測装置として、南米ボリビアにあるチャカルタヤ山宇宙物理学研究所の既存の空気シャワーアレイを用いる。このアレイに空気シャワーチェレンコフ光測定装置を設置し、10TeV以上の宇宙線化学組成を決定することを目的としている。昨年度は、測定するチェレンコフ光波形に対して、最も化学組成を反映するパラメータの選定、および、化学組成決定精度の検討を行った。これには、空気シャワーシミュレーション計算を行う必要があるが、現時点において最も信頼されているKorsikaコードを用いた。この結果、空気チェレンコフ光の横分布と到着時間分布両方の同時測定を行うことにより、約10%の精度で化学組成の主成分を決定できることが分かった。また、チェレンコフ光観測装置の最も有効な設置場所などに関する知見も得ることができた。 以上の結果を踏まえ、昨年度は測定装置などの準備を行った。空気チェレンコフ光の到着時間分布測定装置は、既存の装置を用いることとした。そこで、横分布測定装置の開発制作を行った。検討の結果、受光素子としては浜松フォトニックス社製のPMT1512を装置1台あたり1本用い、出力信号をデジタルオシロスコープにて記録することとした。以上の装置をボリビアに平成12年6月に輸送し、7月より現地にて設置を行い、予備観測の後、10月より本実験を開始した。その予備結果として、10TeVにおいて、直接観測結果との一致を確認し、本測定法の正当性を確認した。さらに、観測を実施し、最終結果を得る予定である。
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