2001 Fiscal Year Annual Research Report
軽いハイパー核の構造とハイペロン-核子相互作用の精密3・4体理論による研究
Project/Area Number |
11640283
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上村 正康 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10037210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥山 詠美子 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (10311359)
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Keywords | ハイパー核 / ハイペロン / 4体問題 / ハイペロン-核子相互作用 |
Research Abstract |
^4_ΛH,^4_ΛHeはYN相互作用に対し基本的に重要な情報を与える貴重なハイパー核である。なぜなら、spin-doublet (0^+,1^+)の2つの状態が観測されている唯一のハイパー核であり、かつ(^3_ΛHに比べて)かなり深く束縛して、YN間の力が強く働いているため、YN相互作用の分析に非常に適しているからである。このYN相互作用の分析のためには、(3N+Λ)と(3N+Σ)の結合を取り入れた4体計算が必要不可欠であったが、計算が至難なため、なされて来なかった。我々は、自身で開発した「無限小変位ガウス・ローブ法」によって世界で初めて、この4体問題を精密に解くことに成功した。これは、YN相互作用、特に核子-ハイペロン多体系の特徴である粒子変換現象(ΛN-ΣN conversion)の解明と、spin-doublet分岐力の起源を探る研究の突破口となる重大な成果である。 この4体計算から、3N+Σチャネルの存在確率が導き出され(0^+状態で2%,1^+状態で1%),同チャネルが、^4_ΛH,^4_ΛHeを束縛状態として存在させるために重要な役割を担っていることが、初めて確証された。同時に、我々は、^4_ΛH,^4_ΛHe内のΣ粒子が励起することから来るΛNN3体力の効果が、0^+、1^+状態によって異なる(0^+には引力的、1^+には斥力的な効果)ことを明らかにした。また、^4_ΛH,^4_ΛHe内の3つの核子と1つのハイペロンが、どのような構造になっているのか(3つの核子の周りを1つのラムダ粒子がスキン状態で存在している)についても明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Hiyama: "Λ-Σ conversion in ^4_ΛH and ^4_ΛHe based on four-body"Physical Review C. 64(1). 11301-1-11301-5 (2002)
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[Publications] E.Hiyama: "Three-and four-body structure of light Λ hypernuclei"Nuclear Physics A. 691(1). 107c-110c (2001)
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[Publications] E.Hiyama: "Three-and four-body structure of light hypernuclei"Nuclear Physics A. 684(1). 227c-232c (2001)