2001 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパー核に発現するハイペロン・核子間及びハイペロン間相互作用の諸特性の解明
Project/Area Number |
11640286
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山本 安夫 都留文科大学, 文学部, 教授 (80124866)
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Keywords | ハイパー核 / YN・YY有効相互作用 / 中性子星におけるハイペロン混在 / 中性子星物質の状態方程式 / 中性子星の最大質量 / ΞN及びΞΞ相互作用 / (K^-, K^+)反応 / ΞN散乱断面積 |
Research Abstract |
[1]ハイペロン(Y)と核子(N)の混在した核物質中でのYN・YY有効相互作用及び中性子星物質におけるハイペロン混在の研究。 「Effective YN and YY interactions and hyperon-mixing in neutron star mattetr」(Prog. Theor. Phys.105(2001) 607) by S.Nishizaki, Y.Yamamoto and T.Takatsukaにおいては、中性子星の殻領域におけるハイペロン混在が中性子星物質の状態方程式のソフト化と中性子星の最大質量の大幅な低下をもたらすこと、そして観測結果と矛盾しないために高密度で働くバリオン間の3体斥力が必要であることが議論された。この論文においては、Λ粒子の混在を想定して特徴的な物理内容の議論がなされたものであるが、Σ^-粒子の混在も取り入れたより現実的な状況の下での結果に関する論文が現在投稿中である。以上の結果に関しては「International Conference on Hypernuclear and Strange Particle Physics」(Torino, Itary, October,2000)における招待講演として山本によって発表された。その報告は「Hyperons in neutron stars」(Nuclear and Hadronic Physics A691(2001)432c) by Y.Yamamoto, S.Nishizaki and T.Takatsukaに与えられている。 [2]ハイパー核の構造とYN・YY相互作用の研究。 「ΞN and ΞΞ OBEP and Ξ^--nucleus bound states」(Prog. Theor. Phys.105(2001) 627) by M.Yamaguchi, K.Tominaga, Y.Yamamoto, and T.Ueda においては、愛媛大学グループによるYN・YY OBEP相互作用のΞN及びΞΞ部分のパラメーターが、Ξ^--nucleus bound statesのデータを用いて決定された。「Ξ^-emission probabilities at (K^-, K^+) reaction points and the ΞN interaction」(Prog. Theor. Phys.106(2001)363) by Y.Yamamoto, T.Tamagawa, T.Fukuda and T.Motobaにおいては、BNL-E906実験で測定された(K^-, K^+)反応点からのΞ^-の放出確率に対するアイコナール模型による分析がなされた。Ξ^-放出確率のデータより核内でのΞ^-N散乱断面積が求められ、ΞN相互作用の特にP波成分に関する情報が抜き出された。 補助金の主な使途は、共同研究者との研究連絡のための旅費である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Nishizaki, Y.Yamamoto, T.Takatsuka: "Effective YN and YY interactions and hyperon-mixing in neutron star matter"Progress of theoretical Physics. 105. 607-626 (2001)
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[Publications] M.Yamaguchi, K.Tominaga, Y.Yamamoto, T.Ueda: "ΞN and ΞΞ OBEP and Ξ^--nucleus bound states"Progress of theoretical Physics. 105. 627-648 (2001)
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[Publications] Y.Yamamoto, T.Tamagawa, T.Fukuda, T.Motoba: "Ξ^-emission probabilities at (K^-, K^+) reaction points and the ΞN interaction"Progress of theoretical Physics. 106. 363-372 (2001)
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[Publications] Y.Yamamoto, S.Nishizaki, T.Takatsuka: "Hyperons in neutron stars"Nuclear and Hadromic Physics. A691. 432c-438c (2001)